「強くなった実感はありませんけど……」
「自分ではわからないものです。自分の評価は自分ではできない。概して他人からの印象で決められるものです。星弥君のために必死でがんばっているあなたは、きっと前とは違います」

 さっき、松本さんが言っていたことと同じだ。

 本当にそうだろうか?
 そうなのかな?
 そうなのだろう。

「今日、友達に星弥のことを初めて話しました。暗い気持ちにさせてしまう、って心配だったけれど、少しでも話せてよかったと思う自分もいます」

 麻衣は私の重荷を一緒に背負ってくれた。
 星弥がいなくなって、ひとり残された私に手を差し伸べてくれている。

 ふわりと椅子から立った樹さんが、電気を消して天井に星空を広げた。
 無数の銀河が私を見おろしている。

「月穂さんが選んだ道を、あなたの友達は応援してくれますよ。私も同じです」

 星弥を救うために強くありたい、と願った。
 今からでも間に合うものなの……?

 あと四日でこの町に流星群がふる。
 星弥を救えるのならなんだってやる。
 奇跡を信じるのに理由なんていらないんだ。

 あきらめかけていた勇気がまた生まれてくるのを感じた。