「今夜からは私に任せてください。きっと、奇跡を起こしてみせますから」

 そう言った私に、おばさんはしばらく沈黙した。

『なんだか月穂ちゃん、この間久しぶりに会った時とは別人みたい。昔に戻った、っていうか……ほら、星弥が亡くなってからそんなに会ってなかったから』

 さっきより明るい口調のおばさんにホッとする。

「私も自分で不思議です。でも、今できることをしたいんです。ちゃんと報告しますから、無理はしないでください」

 電話を切ったあともバスに乗り込んでからも、気持ちはブレていなかった。
 学校へ向かう坂道も、ちゃんと前を見て歩けた。

 星弥が私に力をくれている。そう思えたの。