「あなたたち、何者なの?これで何人目かしら、変な格好の子たちが来るのは。本当にあなたたちはどこから来たの?」
あれ、?日本語じゃない言語なのに理解ができてる。なんでだろう。エリアナとアリアナのおかげか。とりあえず、それどころではない。
ともかく、これが最初の難関というわけか。見知らぬ、しかも子供がやってきて、急に驚くのも無理もないことだ。むしろ、当然のことだ。どうやって切り抜けたものか...
「すみません、私たち、とても遠くから来ていて、この国のこと、この街のこと、ここがどこかさえもわからないんです。」
「そうなんです。もしよかったら、住むところを貸して頂けるとうれしいのですが。そして、色々教えて頂きたいです。」
この特殊な状況にすぐ適応している。その上、深沙と深澤の、喋り方に笑顔。さすがは優等生だ。
「そうそう、俺たち困ってるんスよ。だから、sdfjklf...」
「...いいから黙ってて。余計なこと言わないで!」
私は必死に新垣を黙らせた。ここで、余計なことを言っていいことはない。
「そうだったの...。」
女の人が、若干訝しみながらも、街を案内してくれた。その人は、エレンさんと言って、この街のまとめ役の娘、らしい。だからこそ真っ先に私たちに話しかけたというわけか。
「ここが私の家よ。どうぞ、入って」
そう言って扉を開けてくれる。扉、と言えるほど大きな扉がある家、さすが街の管理人だ。入ってすぐ、「お帰りなさいませ」という声が聞こえてくる。姿は見えないが、どこかで仕事をしている人だろうか。まあ、こんな豪邸なら、メイドや執事みたいな人がいても、違和感がない。
数分歩いて、私たちは部屋に通された。
「父を呼んでくるから、少し待っていてね」
ここに着くまでの間、深沙と深澤がエレンさんと話してくれていたから、エレンさんの口調も砕けたものとなってきていた。よかった。ひとまずは順調そうだ。
「ようこそ、テラ家へ。私はマラン・ラテ、この街の管理人をしております。マラン、とお呼びください。」
人当たりの良さそうな笑顔で、そう告げるマランさん。この街で一番偉い人とは思えない態度だなぁ。腰が低いというか...。
「ご親切にありがとうございます。すみませんが、この街のことを教えて頂けないでしょうか。遠くから来たので、ここのことを何一つ知らないものでして。」
しっかりと本題に入っていく深澤。さすがだ。
「ああ、そうでしたね。この街の管理人として、責任を持って説明させてもらいましょう」
そういって、マランさんはこの街、サリカについて話してくれた。
「この街はサリカと言ってね、ロムニカ王国の中でも主要な都市の1つなんだ。本来は王が直接統治している地域なんだけど、王が崩御されたから、今は、私が一時的に統治している形となってるんだ。人口は数百人と、結構多い方だし、この街には色々な店がある。魔法に使う道具だとか、普通に服の店とかね、まあ、なんでもあると思ってもらっていい。ここは、家や下宿なども多い。君たちが住むのにちょうどいいところもあるだろう。もちろん、この屋敷に住んでもらっても一向に構わないよ。」
そこまでいっぺんに話すと、少し息を整えて、真剣な顔をして話し始めた。
「3ヶ月後に王選というものがあってね、次の王を選ぶ選挙のようなものだよ。ここ、サランが王選の舞台となるから、みんな、街をさらに発展させようと、よりよくしようと頑張ってくれているところなんだ。この街は比較的平和になったからね、今回の舞台に選ばれたんだ。ずっとここに住むのであれば、王選の準備を是非とも手伝って欲しい」
「ところで、」
「ミサ、コウタ。君たちと似たような服を着た、同い年くらいの子が2組既にこの街にきていてね。知り合いなの?」
だいぶ言葉遣いが柔らかくなってきたエレンさんに聞かれた。
私と深沙は目を合わせた。私たちはどう答えていいかわからなかった。もし私たちが王選で敵となるなら、仲良くしている場合ではないのかもしれないし
(どうする?)
(うーん、でも、もし私たちが王選で敵となるなら、仲良くしている場合ではないのかもしれないし)
(合流して情報共有し合うのも一種の手かもしれない)
(エリアナからは何も言われてないよね...)
『あ、いいこと言ったね、春香ちゃん‼︎転生者同士は知り合いだと悟られないようにしなきゃいけないという条件を言い忘れていた。てへっ♪』
あーもう。どうしてそういう大切なことを先に言わないかな。
「いえ、知らない人たちですね、私たちは4人できたので。」
上手く誤魔化してくれたみたい。
そうだったのか、と言い、マランさんは話を変えた。
「これをどうぞ」と言って渡されたのは、この街の服だった。
「いいんですか、いただいても」
「もちろんだよ、着ていっておくれ。」
そう親切に言ってくれたのでありがたくいただいて、服を着替えた。普通の服だけど、デザインが中国風とも西欧風とも取れる感じで、不思議な感じがした。
着替え終わると、マランさんが
「住むところを手配してあげよう。最初のうちは、ただで暮らせるだろう。それからは、家賃を払うことになるだろうけど、仕事も紹介しようか?」
と言ってくれた。
私たちは目を合わせた。4人の意見は一致した。
ここからは自分たちでどうにかする。
「親切にありがとうございます。でも、私たちもここで生活しなくてはならないわけですし、頼りっきりというわけにもいきません。住む場所を紹介していただけるだけで充分です。」
そういって、丁重に断った。
あれ、?日本語じゃない言語なのに理解ができてる。なんでだろう。エリアナとアリアナのおかげか。とりあえず、それどころではない。
ともかく、これが最初の難関というわけか。見知らぬ、しかも子供がやってきて、急に驚くのも無理もないことだ。むしろ、当然のことだ。どうやって切り抜けたものか...
「すみません、私たち、とても遠くから来ていて、この国のこと、この街のこと、ここがどこかさえもわからないんです。」
「そうなんです。もしよかったら、住むところを貸して頂けるとうれしいのですが。そして、色々教えて頂きたいです。」
この特殊な状況にすぐ適応している。その上、深沙と深澤の、喋り方に笑顔。さすがは優等生だ。
「そうそう、俺たち困ってるんスよ。だから、sdfjklf...」
「...いいから黙ってて。余計なこと言わないで!」
私は必死に新垣を黙らせた。ここで、余計なことを言っていいことはない。
「そうだったの...。」
女の人が、若干訝しみながらも、街を案内してくれた。その人は、エレンさんと言って、この街のまとめ役の娘、らしい。だからこそ真っ先に私たちに話しかけたというわけか。
「ここが私の家よ。どうぞ、入って」
そう言って扉を開けてくれる。扉、と言えるほど大きな扉がある家、さすが街の管理人だ。入ってすぐ、「お帰りなさいませ」という声が聞こえてくる。姿は見えないが、どこかで仕事をしている人だろうか。まあ、こんな豪邸なら、メイドや執事みたいな人がいても、違和感がない。
数分歩いて、私たちは部屋に通された。
「父を呼んでくるから、少し待っていてね」
ここに着くまでの間、深沙と深澤がエレンさんと話してくれていたから、エレンさんの口調も砕けたものとなってきていた。よかった。ひとまずは順調そうだ。
「ようこそ、テラ家へ。私はマラン・ラテ、この街の管理人をしております。マラン、とお呼びください。」
人当たりの良さそうな笑顔で、そう告げるマランさん。この街で一番偉い人とは思えない態度だなぁ。腰が低いというか...。
「ご親切にありがとうございます。すみませんが、この街のことを教えて頂けないでしょうか。遠くから来たので、ここのことを何一つ知らないものでして。」
しっかりと本題に入っていく深澤。さすがだ。
「ああ、そうでしたね。この街の管理人として、責任を持って説明させてもらいましょう」
そういって、マランさんはこの街、サリカについて話してくれた。
「この街はサリカと言ってね、ロムニカ王国の中でも主要な都市の1つなんだ。本来は王が直接統治している地域なんだけど、王が崩御されたから、今は、私が一時的に統治している形となってるんだ。人口は数百人と、結構多い方だし、この街には色々な店がある。魔法に使う道具だとか、普通に服の店とかね、まあ、なんでもあると思ってもらっていい。ここは、家や下宿なども多い。君たちが住むのにちょうどいいところもあるだろう。もちろん、この屋敷に住んでもらっても一向に構わないよ。」
そこまでいっぺんに話すと、少し息を整えて、真剣な顔をして話し始めた。
「3ヶ月後に王選というものがあってね、次の王を選ぶ選挙のようなものだよ。ここ、サランが王選の舞台となるから、みんな、街をさらに発展させようと、よりよくしようと頑張ってくれているところなんだ。この街は比較的平和になったからね、今回の舞台に選ばれたんだ。ずっとここに住むのであれば、王選の準備を是非とも手伝って欲しい」
「ところで、」
「ミサ、コウタ。君たちと似たような服を着た、同い年くらいの子が2組既にこの街にきていてね。知り合いなの?」
だいぶ言葉遣いが柔らかくなってきたエレンさんに聞かれた。
私と深沙は目を合わせた。私たちはどう答えていいかわからなかった。もし私たちが王選で敵となるなら、仲良くしている場合ではないのかもしれないし
(どうする?)
(うーん、でも、もし私たちが王選で敵となるなら、仲良くしている場合ではないのかもしれないし)
(合流して情報共有し合うのも一種の手かもしれない)
(エリアナからは何も言われてないよね...)
『あ、いいこと言ったね、春香ちゃん‼︎転生者同士は知り合いだと悟られないようにしなきゃいけないという条件を言い忘れていた。てへっ♪』
あーもう。どうしてそういう大切なことを先に言わないかな。
「いえ、知らない人たちですね、私たちは4人できたので。」
上手く誤魔化してくれたみたい。
そうだったのか、と言い、マランさんは話を変えた。
「これをどうぞ」と言って渡されたのは、この街の服だった。
「いいんですか、いただいても」
「もちろんだよ、着ていっておくれ。」
そう親切に言ってくれたのでありがたくいただいて、服を着替えた。普通の服だけど、デザインが中国風とも西欧風とも取れる感じで、不思議な感じがした。
着替え終わると、マランさんが
「住むところを手配してあげよう。最初のうちは、ただで暮らせるだろう。それからは、家賃を払うことになるだろうけど、仕事も紹介しようか?」
と言ってくれた。
私たちは目を合わせた。4人の意見は一致した。
ここからは自分たちでどうにかする。
「親切にありがとうございます。でも、私たちもここで生活しなくてはならないわけですし、頼りっきりというわけにもいきません。住む場所を紹介していただけるだけで充分です。」
そういって、丁重に断った。