「ねぇ、ふたりに話を聞いたかい?」
花丸木さんが来て、咲良が座っていたベンチに座った。
「うん。聞いた。なんか幸せそう」
「幸せそうだよね。一緒にこの世から旅立てるなんて、羨ましいな。僕ももしそう出来ていたら……」
彼は桜の木を見つめている。
「僕ね、新しい夢が出来たんだ」
「気になる! 花丸木さんの夢」
「えっ? 気になってくれるの?」
「うん」
「まぁ、話せば夢が近くに来てくれる気がしてるから話すね」
「やった!」
いつから俺はこんな親しげに花丸木さんと話せるようになったんだろう。
「地球以外の星に咲いた花を見に行くの。花ちゃんと一緒に」
桜の枝を挿し木している鉢植えを彼は指さした。
以前俺には一切見せてくれなかった幸せそうな表情をして話してくれている。
「叶うよ、きっと! 花丸木さんって考えている事なんでも実現しそうだもん」
「ありがとう! あとね、蓮」
「何? 改まって」
「実はね……」
花丸木さんは、大翔が世間で行方不明になっていた時も実はカラスとして生きている事を知っていた事、俺の事が憎くて罪の意識を常に忘れさせない為、傍においてわざと毎日大翔の事を語っていた事を教えてくれた。
「でもね、もう憎んではいない。だからこれからは、自由に生きて」
花丸木さんが来て、咲良が座っていたベンチに座った。
「うん。聞いた。なんか幸せそう」
「幸せそうだよね。一緒にこの世から旅立てるなんて、羨ましいな。僕ももしそう出来ていたら……」
彼は桜の木を見つめている。
「僕ね、新しい夢が出来たんだ」
「気になる! 花丸木さんの夢」
「えっ? 気になってくれるの?」
「うん」
「まぁ、話せば夢が近くに来てくれる気がしてるから話すね」
「やった!」
いつから俺はこんな親しげに花丸木さんと話せるようになったんだろう。
「地球以外の星に咲いた花を見に行くの。花ちゃんと一緒に」
桜の枝を挿し木している鉢植えを彼は指さした。
以前俺には一切見せてくれなかった幸せそうな表情をして話してくれている。
「叶うよ、きっと! 花丸木さんって考えている事なんでも実現しそうだもん」
「ありがとう! あとね、蓮」
「何? 改まって」
「実はね……」
花丸木さんは、大翔が世間で行方不明になっていた時も実はカラスとして生きている事を知っていた事、俺の事が憎くて罪の意識を常に忘れさせない為、傍においてわざと毎日大翔の事を語っていた事を教えてくれた。
「でもね、もう憎んではいない。だからこれからは、自由に生きて」