「寿命を半分にって事は、大翔と咲良は死ぬ時も同じ時期なのかな」

 事故や病気、それとも寿命を全うして……。この世からいなくなる理由は様々だ。本人さえ予想出来ない。そして、その時は、突然訪れる。

「全く同じらしい」

 大翔は羽をパタパタさせるみたいに、両手を大きく広げて、上下に揺らしながら言った。

「そう、同じらしいから、どっちかがここの世界に置いてかれて悲しい想いをしたり、置いていく事になってしまうから心配になるとか、そんな気持ちを知らないままでいられるのよ!」

 咲良は目を輝かせながら言った。

 たしかに、生きられる時間は減るけれども、このふたりにとっては良いのかもしれないな。

「よし、行こっか」
「うん」

 ふたりは、旅にいった。
 幸せな旅へ。