一緒に過ごしているうちに離れたくない気持ちが強くなってきた。

 時間が止まれば良いのに。
 ずっとずっと一緒にいたい。

 時間は止まってくれずにどんどん過ぎていった。

「カラスと人間って物の見え方ちがうの?」

「寒さとか感じるの?」

「ねぇ、空を飛ぶのってどんな感じ?」

 気がつけば、私は質問ばかりしていた。
 私の知らない時の大翔が知りたくて。

「空を飛ぶ。どんな感じだったっけな……。飛んでいる間は羽を休ませることが出来ないから、多分必死だったのかもね。あんまり覚えてないな」

「必死にかぁ。風になれて、気持ちよさそうって私は思ってたな。空を飛べたら、外に出るのが怖くなくなるのかなぁ」

 


 あっという間に雪が解けて、桜の花が開く時期になってしまった。