今聞いた話が理解できなくて、そして久しぶりの再会。どんな言葉をかければ良いのか、全く思いつかなかった。けれど、何かは話したい。

「あ、そのガラス」

 大翔は言った。視線はテーブルの上に置いてある、カラスから貰ったガラスにあった。

「このガラス?」

 もしも、彼があのカラスだったならこの質問答えられるよね? 私は彼を試してみた。

「これ、いつ貰ったんだっけ……」

「これね、暑い日だったかな? パンのお礼にあげたんだよね確か」

 あっ!

 いきなり大翔が、見える世界がファンタジーな世界に包まれた。蓮の言っていた話は本当だった。てことは、亡くなったと思っていた彼。

「大翔は、大翔なの?」
「えっ? そうだよ! 僕は僕だよ」
「良かった!大翔だったんだね」

「ちょっと待って! 多分ふたりの会話はすれ違ってる」
 
 蓮は、大翔が昔消えてしまった彼と、カラスと、今の大翔が同一人物だって事を私に伝えたって事を分かりやすく、大翔に伝えてくれた。

「そうだよ。そしてね、今日はみんなに、僕にとっては物凄く大切な事を伝えたいんだ」