花火が打ち上がる音がした。空を見上げると綺麗にキラキラと輝いていた。カラスの時は、明るく見えすぎて、人間達が懸命に見上げる理由が分からなかった。人間になってから見ると、それはとても綺麗に輝くカラフルな空の花だった。人間が見える世界と、カラスの見える世界。こんなにも違うのだな。


 綺麗さを知ったのと同時に、頭が痛くなった。そして一気に記憶が落ちてきた。輝き終わり、空の花達が消えていくのと同時に。

 その落ちてきた記憶は、僕がカラスになる前までの記憶もあった。

 僕は繋がりがあったのだ。
 咲良や、蓮、花丸木さんまでも……。