花丸木さんに相談してみようと思って家に戻り軽く説明すると、会いたいと言うので一緒に公園に行く事になった。彼は母親から星の環境など詳しく話を聞くと歩いて家に戻り、しばらくすると軽トラックに乗ってきた。

「これ、うちの花から取れた種。余ったのあげる。その環境なら育てるの大丈夫そうだしね。元気に育ったらこの子たちに会いたいなぁ。僕が育てた子達の遺伝子がその星で……」

 花丸木さんは育てやすい可愛いマリーゴールド、向日葵、コスモスなどの名前が袋に書いてある花の種を七種類と、更に肥料、必要な道具、そして花丸木さんの家の畑のふかふかしてとても良い土を大量にユーフォーに積んでいたから僕も手伝った。

「切った花は星に着くまでに枯れてしまうかも知れないけれど、種ならそっちで蒔けば良いから大丈夫。あと、これはそのまま畑に植えればよいよ」

 更に長ネギ、ピーマンなどのポット苗も渡していた。

「あ、これももしよろしければ! 僕が書いた本ですが。僕は人前で話すのが苦手でして。でも花の良さを大勢のかたに伝えたく、この本を出したのです。花の種類や育てかた、心の通わせ方も書いてあるから役に立つかと……」

 花丸木さんは “ 僕は花を愛するために生まれた ” という題名の本も渡していた。

 花がらをこまめに摘んだら長く花が咲いてくれる話や、水をあげるタイミングなど、豊富な知識も教えていて、僕は全く覚えられなかったけれど、母親はとても真剣に話を聞いていた。