まさか、私のレイヤくんが誰かのものに!?
 私は由羽のスマホを奪い取って、画面に映されているその記事を読む。

「ほんとだ……」

 しかもモザイクはかかっているけれど、写真までついている。
 私の推しが……。私のレイヤくんが……。

「いやぁぁぁ」

 レイヤくんは人気者だから、ファンが沢山いるのは許せる。一緒に推し活をしている仲間だから。
 だけど、それが恋愛となると話は別だ。
 もし恋愛がメインになって活動しなくなってしまったら……? みんなのレイヤくんが、知らない誰かのたったひとりのものになってしまったら……?
 そんなことを考えただけでも嫉妬で狂いそうになる。
 私はここがファミレスだということも気にせずに叫んで、机に突っ伏した。

「まぁ、推しのスキャンダルほど嫌なものはないよね……。その点私の推しはそんなことありえないから嬉しいのだけれど」

 それはそうだ。由羽の推しは2次元のキャラなのだから……。