#平行線の世界 蒼空と美月
蒼空と美月が仲良くなったきっかけは、中学2年の時の夏休み。ささいな出来事だった。
蒼空と僕はサッカー部、美月は美術部に所属していた。
この日はとても暑かった。
美術部の先生にアイスを奢ってもらえる事になったらしく、美月と部員数人でアイスを買いに行っていた。
サッカー部も休憩時間になり
「何か冷たいもの食べたい」
「ほんとだわ」
そんな会話をしている時に美月がタイミングよく、アイスの入ったコンビニの袋を持って通りすぎようとしていた。
美月に向かって蒼空は言った。
「いいなアイス」
美月は1回何も答えずに無視してそのまま進んで行ったけれど、立ち止まり振り返った。
袋からアイスをひとつ取り出すと
「これ食べますか?」
ポッキンしてふたりで分けれるタイプのアイスを半分にして蒼空に渡した。
「え? いいの?」
「私は半分だけでいいの。全部食べたら、お腹弱いからきっと壊しちゃう」
そう言って美月はぎこちなく照れくさそうにしながら美術室へ戻っていった。
その姿をみて僕は美月の気持ちを悟った。
僕は蒼空からひとくち貰った。暑い時に食べるカフェオレ味の甘いアイスは、ひとくちだけで血液中に染み渡る感覚がして、とても美味しかった。
「あ、お礼言ってない……ちょっと言ってくるわ」
蒼空は走って美術室の窓の方へ行った。
そのアイスがきっかけとなり美月と蒼空は少しずつ話すようになっていった。
蒼空と美月が仲良くなったきっかけは、中学2年の時の夏休み。ささいな出来事だった。
蒼空と僕はサッカー部、美月は美術部に所属していた。
この日はとても暑かった。
美術部の先生にアイスを奢ってもらえる事になったらしく、美月と部員数人でアイスを買いに行っていた。
サッカー部も休憩時間になり
「何か冷たいもの食べたい」
「ほんとだわ」
そんな会話をしている時に美月がタイミングよく、アイスの入ったコンビニの袋を持って通りすぎようとしていた。
美月に向かって蒼空は言った。
「いいなアイス」
美月は1回何も答えずに無視してそのまま進んで行ったけれど、立ち止まり振り返った。
袋からアイスをひとつ取り出すと
「これ食べますか?」
ポッキンしてふたりで分けれるタイプのアイスを半分にして蒼空に渡した。
「え? いいの?」
「私は半分だけでいいの。全部食べたら、お腹弱いからきっと壊しちゃう」
そう言って美月はぎこちなく照れくさそうにしながら美術室へ戻っていった。
その姿をみて僕は美月の気持ちを悟った。
僕は蒼空からひとくち貰った。暑い時に食べるカフェオレ味の甘いアイスは、ひとくちだけで血液中に染み渡る感覚がして、とても美味しかった。
「あ、お礼言ってない……ちょっと言ってくるわ」
蒼空は走って美術室の窓の方へ行った。
そのアイスがきっかけとなり美月と蒼空は少しずつ話すようになっていった。