☆美月・大和の突然の言葉


 そして、突然まじめな顔をして言った。

「ふたりに大事な話がある」

 蒼空くんと私の動きは止まった。

「どうした?」

 蒼空くんもまじめな顔になり聞いた。

「実は僕、大切な人がいて、探しに行きたいんだ。だからふたりの前からいなくなる。」

「えっ? 突然何を言っているの?」

 私は、これ以上開かないってくらいに目を見開いた。

 いきなりどうしたの? 訳がわからない。ただ驚くしかなかった。

 帰り道、車の中で大和に何回も質問したけれど

「言った通りのことだよ!」

としか、答えてくれなかった。

「いなくならないでね……」

 ただそう言うしかなかった。