★蒼空・気持ち


 家に帰ってきてから、ずっと今日の話について考えていた。

 最初は大和の言っていた事が信じられなかったけれど、実際にみた俺と美月の夢には繋がりがあるし、大和が嘘をついているようには思えなかった。

 俺と美月がみていた夢が、別の世界線で実際起こった出来事で……。

 方法までは聞いていないけれど、今のあっちの世界とここの世界の日時や天候などが同じだったことは確認したらしく。

 ふたつの世界は時の流れが並行に進んでいるらしい。でも今3人が歩んでいる人生は違うようで。

 そして衝撃的な事を聞いてしまった。あっちの世界では美月が自ら命を絶ってしまうのだと。

 夢の内容から、あっちの世界にいた美月をそこまで追い込んでしまったのは、あっちの世界線の出来事で、あっちの俺だけど……。自分がそうしてしまった気持ちになった。

 もしも俺があっちの世界の俺だとしたら、後悔して謝りたい気持ちになる。でももうその世界には謝りたい美月はいないのだ。

 ここにいる美月に謝ってもきっと意味がないけれど、何故か自分がきちんと美月に謝らなければいけない気持ちになってきた。

“ 1回会って話したいことがあるのですが…… ”

 美月にメッセージを送ろうとした。

 送信ボタンを押そうとしては辞めて、文章を打ち直し、それを繰り返してやっと送信ボタンを押した。

 その世界線の話は、まだ美月にはしないようにと
大和にお願いをされていたから、美月は多分知らない。

 送信ボタンを押してしまったけれど、会って何を話すと言うのか。いきなり謝ってもただ変に思われるだけ。