☆美月・病院


 連絡すると大和がすぐに病院に来てくれた。目が合うとぼろぼろと泣きだし、私を抱きしめてくれた。私の緊張が少しずつほぐれていった。

「美月、生きててよかった。また守れないかと思った……」

「大袈裟だよ。また守れないかもって? 事故にあったの初めてだよ! それにスピードが全く出ていない車とぶつかって転んで軽く怪我しただけだし」

「でも車とぶつかったって聞いたら……ほんと大丈夫?」

 大和は本当に優しい。すごく心配してくれて。

 出会ってから、初めて感情があらわになった姿をみた。いつもは気持ちを包み隠しているようで。泣いている姿はとても可愛く、なんだか見た目は大きいのに小さな子供のようだった。


 家に帰ってからもずっと大和は私を抱きしめてくれていた。

「辛いこととか、何かあったら言ってよ? 些細なことでも何でも。ひとりで抱え込まないで。絶対自殺とかしたらダメだからね」

 大和は泣き疲れて私よりも先に、そのまま眠ってしまった。

 車の方もぶつかる時、よそ見をしてしまったらしいけれど、私も気をつけていれば……。

 一瞬の行動で周りの景色が変わってしまう。

 こんなに心配されたのは生まれて初めてかも知れない……。

 ごめんね。

 そしてありがとう。