☆美月・あいまいに


「ただいま」

大和が帰ってきた。

「おかえり。これ、スマホ届けてくれたよ」

「わっ! あった! どっか落ちたか思ってめちゃくちゃ探してたわ!」

「届けてくれたのって同級生だった蒼空くんだと思ったんだけど……そうだよね?」

 完全に分かっていたけれど何故かちょっとあいまいに言った。

「うん。そうだよ。スマホあって助かったわぁ」

 そう言いながら、大和は部屋着に着替える為に寝室に行った。

 なんとなく蒼空くんとSNSで連絡をとっていた事は言えなかった。

私は大和が好きで、蒼空くんは好きな芸能人とか、手に届かない人を眺める感じというか……やましい事は何一つないと思うのだけど。

 そういえばそろそろ、返事しないと。