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「あら?誰かしら、こんなところに。もう、読んだら片付けてくれないと困るわね」

図書館司書は床に落ちていた本を拾い上げ、パンパンと誇りを払った。

「ウィズラブ、か。えーっと著者は笠原菜子、と」

図書館司書は分類コードを見ながら本を棚に戻す。

人気のない静かな図書館の片隅で、本棚に入れられたその本は人知れず静かに輝いていた。


【END】