テンション高くキャアキャア騒ぐ私に、アズールは眉を下げて苦笑する。

アズールは突然私の手を取り優しく撫でる。そして手の甲にキスを落とした。

「っ!」

瞬間、体中に電気が走ったかのようにゾクゾクとなり心臓が跳ね上がる。ドキドキという鼓動のたびに体温が上昇していくようだ。

「……俺の推しはナコだよ」

「え、推し?」

「好きだ」

「っ!」

ぼぼぼっと体温が上昇するのがわかった。
私は口をパクパクさせる。
きっと顔は真っ赤だ。

「”おし”の使い方、合ってたかな?」

私はコクコクと頷く。

嬉しい嬉しい嬉しい!
どうしよう、嬉しすぎて死ぬ!

「私もアズールが好きっ。大好き!」

私の返答を聞いたアズールはとびきり甘い微笑みで私を見つめる。そんな色っぽい表情を見るのは初めてのことで、私はアズールから視線を外せなくなった。

「知ってるよ」

アズールの指が私の頬に触れた。
夜の空気はひんやりとしているのにアズールの手は暖かく優しい。

月明かりの下でそっと触れあう口づけは、何よりも甘くて上質だった。