調子に乗ってはしゃいでいたら石に躓いてよろけ、瞬間的に私の体はアズールによって受け止められる。

「本当に、困ったお姫様だな」

呟いたかと思うと、そのままぎゅううっと抱きしめられた。

え、何これ、夢?
どういうこと?

「頑張ったご褒美だ」

耳元で囁かれ、その低くて甘味のある声に胸がぎゅうっと締めつけられる。

「巻き込んで悪かった」

アズールは私から体を離すと、私のネックレスを手に取る。ペンダント部分の宝石は大きく欠けて小さな欠片だけが残ったままだ。

「これ、渡しておいて正解だったな」

「あ、そうだった。男の人に襲われたとき、この宝石とジャンクのお母様が助けてくれたの」

「そうか。だがもう無茶な真似はやめてくれ。心臓に悪い」

「ごめんなさい」

素直に謝ると、アズールは目を細めた。
そしてじっと見つめてくる。