シャルロットは相変わらず俺に対して警戒心がなく、そのことにもほっとする。

だがシャルロットの髪飾りが目についた。
僅かに魔法のオーラが見える。
こんなもの、一体いつの間に。

「これは?」

「これはジャンクがプレゼントしてくれて……」

その名を聞いた瞬間、俺は髪飾りを握り潰していた。

「ちょっと!何するの?」

シャルロットの詰め寄る声が耳を抜けるが、俺は無意識に怒りが湧き逆にシャルロットに詰め寄る。

「これは魔道具だ。何かよくない魔法がかけられていたのだろう」

俺の言葉にシャルロットは声にならない悲鳴を上げて震えあがった。

“よくない魔法”だなんて、本当は嘘だ。

俺の母は魔女だ。
その息子の俺は少しだけ母の能力が遺伝した。魔法は使えないが魔法のオーラは見える。だがそれだけで、その魔法がどんなものかまではわからない。

わからないのに、嘘をついた。
ただ、シャルロットがジャンクからもらったというのが許せなかったからだ。気付いたときにはジャンクに会うのはやめろと口走っていた。

何がしたいのだろう。
自分の気持ちがわからなくなった。

同時に、このシャルロットが一体何者なのか、暴いてやりたいとも思った。