「危険だろう。もし本当に魔女だったらどうするんだ」

「だって今は魔女という存在は受け入れられているんでしょう?だったらいい魔女かもしれないしじゃない。それを私が調べてくるわ」

「俺も行く」

「怪しまれないように一人でこっそり行く方がいいと思う。その方が身軽だしね」

「……はあ」

一人意気込む私の決意を覆すくらい、アズールは大きなため息をつく。
頭を抱えながら私を呆れた目で見つめた。

アズールは立ち上がるとデスクの引き出しを開けた。何かを掴むと、またこちらへ戻ってくる。

「これを」

そっと首に掛けられたネックレス。チャームの部分は綺麗な宝石が嵌め込まれている。
アズールは私に見せるように宝石を手に取った。

「これは御守りだ。何かあれば身代わりになってくれる。絶対に深追いするなよ」

その真剣な目に引き込まれ、私の心臓がきゅんと悲鳴を上げた。

「どうした?」

動かなくなった私を見て、アズールは怪訝な顔をする。

「アズールかっこいい」

「ナコ、俺は真剣に言っているのだが?」

「私も真剣に言ってるよ!さすが私の推し!」

「未だによくわからないが、まあ、何というか、ありがとう」

恋の矢で撃ち抜かれた私の心臓はキュン死した。