私は意思を固める。アズールになら伝えてもいい気がした。むしろアズールには知ってもらいたいような気もする。

「私は別の世界から来たの。私にもわからないけど、ここはウィズラブという本の世界で、図書館で本の整理をしていたら急に眩しい光に包まれて、そして気づいたらシャルロットとしてこの世界にいた。ただそれだけなの」

「どうやってそれを証明する?」

「証明?」

「お前が別の世界から来たという証明だ」

「それはできないけど、でも別に今ここで殺されても私には何も困ることはない。だって自分の意思でこの世界に来たわけじゃないもの。それにアズールに殺されるなら本望だわ。だって私の推しなんですもの」

「おし?何だそれは」

「えーっと、一推しっていうか、要するに大好きってこと。一見冷たそうに見えて本当は熱い想いを持ってるとことか、寡黙なくせに努力家ででもそれを他人に見せないとことか、誰よりも人を気遣っていて優しいところとか、流れるようなサラサラな銀髪で整ったかっこいい容姿!もう完璧!好きすぎる!大好きアズール!」

勢いに任せてアズール愛を口走っていた。
これ、言わずに死んだらオタクの名が泣くもん。絶対後悔すると思うんだ。