「じゃあ今日は心置きなくシャルロットを口説けるね」

「えっ?」

思わず本を落としそうになった。
ジャンクは楽しそうに笑う。その笑みは本当に優しくてつい引き込まれそうになってしまう。

「ねえ、書士のお仕事って何をするの?」

尋ねると、ジャンクはとても嬉しそうに笑った。

「書士に興味ある?それとも僕に興味がある?」

嫌味のない言い方は、図らずも私の胸をドキッとさせた。悪意のない爽やかな笑顔はジャンクの魅力でもある。

いやいや、流されないぞ、私は。

「書士に興味ある、かな」

「ぷっ、あはは。シャルロットは正直だね。書士はね、主にこの国の研究をしているんだよ。図書館を研究拠点にしているから、ここの維持運営も任されているんだ」

「研究者ってことね。ジャンクは頭がいいのね」

「国の試験には合格しているけど、他の書士に比べたら僕なんてまだまだだよ」

ジャンクは照れながらも謙遜した。
そうだった、ジャンクは優秀で非の打ち所のない良いやつなんだった。ウィズラブで読んで知っていたけど、実際に本人に接すると本当に小説そのままの人物で、何だか感慨深いものがある。