絶妙に色気を孕んだ声に子宮が締め付けられる。こうなるのはアニヲタであり声優好きの性だ。許して欲しい。
声に釣られた私の視線が移動した先にいた人物に、息を呑んだ。
「百花さんですよね?こんばんは、青葉 飛弦です。」
頬杖を突いて口許に美しい放物線を描いた彼は、今まで出逢ってきた異性が全て霞むまでに端整な容姿をしていた。絡み合った視線を逸らせなかった。青葉君に対して、大人気もなく心臓が高鳴って、跳ねて、落ち着かなかった。
「青葉君、私達の大学の後輩なんだよ。今三年生なんだって。」
「宜しくお願いします、先輩方。」
四つも年下の相手なのに。年下なんて絶対にないと思っていたのに。ましてやまだ学生の子なんて論外なはずなのに。目前の彼に、私は視線も意識もあっさりと攫われてしまった。