「ど、ど、どうして青葉君が朝美の名前を?」
「朝美とは幼馴染で家族ぐるみの付き合いなんです。俺にとっては姉みたいな人なんですけど、朝美に頼み込んで百花さんをあのバーに呼んで貰ったと知られるのが恥ずかしくて他人の振りをして欲しいってお願いしてたんです。」
おかげで、次の朝美のコスプレ衣装の材料費全て俺が払う事になりましたけど。淡々とそう付け加えて苦笑を滲ませているけれど、打ち明けられた事実に私は驚愕が止まらない。
「百花さん。」
「……。」
「好きです。百花さんが好きです。一緒にアニメを見るのも、一緒にゲームをするのも、お家デートするのも、俺じゃないと嫌です。」
しっかりと絡め取られた指は解けそうにない。目前に迫る美しい顔から逃げる道なんて見当たらない。戸惑うこちらを余所に、私の額や頬や髪に接吻を落としていく彼が、着実に私の微かに残っていた理性を突き崩す。
年下なんて有り得ない。年下に手を出してはいけない。そんな理性を、青葉君が崩壊させていく。
「好きです。」
「…っっ分かった。」
「百花さんだけが好きです。」
「分かった、分かったから少しストップして。心臓が持たない。」
「そう云う可愛い百花さんも好きです。」
満開の美しい笑みを咲かせてた彼の接吻が頬に落ちる。
何て恐ろしい子!!!全く攻撃の手を緩める気配がない!!!こんなの卑怯だ。こんなに恰好良くてこんなに完璧なのに、こんなに攻めるなんて卑怯だ。こんなに私の心を揺さぶるなんて卑怯だ。
こんなの……。
こんなの………。
「ねぇ、百花さん。百花さんも、俺の事好きでしょう?」

