きみに ひとめぼれ



放課後になると、各々勉強したり、部活に行ったり、掃除当番をしたり、帰る人もいたりする。

勝見君は部活に行くんだけど、部活が始まるまでならと、私の数学の宿題を教えてくれることになった。

私が掃除当番だから、勝見君は図書室で待っていてくれることになった。

勝見君が図書室で待っていてくれるのが妙に嬉しくて、掃除時間中もうきうきしていた。

はやく掃除を終わらせたかった。

はやく勝見君のところに行きたかった。

なんだか不思議だ。

少し前まで、勝見君なんて存在自体、気にも留めなかったのに。


「あかり、今日もゴミ捨てお願いね」


勝見君のことで頭がお花畑になっていたのに、それを一気に枯らす声が耳に刺さった。


__えー……。

  まあいいんだけど。


これはしょうがない。

だって、自分からゴミ捨ては行くと言ってしまったのだから。



みんなはこのごみ捨てをやりたがらない。

なぜなら、ゴミ捨て場がめちゃめちゃ遠いから。

3階にあるこの教室から1階まで降りて、渡り廊下を渡って隣の校舎を突っ切り、さらに外に出て運動部の部室棟とテニスコートを通りすぎたさらに奥にゴミ捨て場はある。

そこは人気のない学校の用具置き場で、用務員の人がここで各クラスのゴミを集めて分別しているというわけだ。

遠いので部活をやっている子は練習に間に合わないし、そもそも誰もそんな場所に行きたくない。

一方の私は帰宅部なので特に問題もないし、それに、自ら手を挙げたのには理由があった。