彼女と無駄話をして、一限目を潰した僕は尿を催しトイレに来ていた。トイレを終えて手を洗っていると、クラスメイトが扉を開けて入ってくる。
クラスメイトが入ってこようといつもは気はしないのだが、クラスメイトが話している内容に、僕は耳を知らないうちに傾けてしまっていた。
「なあ、今日転校してきた。月海紅葉って子、すげえ美人じゃね?」
「分かる、普通に女優レベルだよな。告白しようかな」
なんとも低俗で高校生らしい会話なのだろうか。手を洗うふりをして会話を聞いていたが、聞く価値も無い内容だった。水にさらしていた手を引っ込めて、水滴をハンカチで拭く。トイレの扉を開けて、僕は教室に帰る。
教室に帰ると、僕の机の周りに人集りが完成していた。正確には、彼女の机の周りに人集りが出来ていた。
教室には彼女に質問する女子と男子の声が混ざりあって弾けていた。どこから来たの?好きな食べ物は?など、質問は内容は様々。
僕は椅子に座りたいのに、とても座れそうにない。仕方なく僕は授業が始まるまで、黒板前で立って待つことにする。
キンコンカンコン、と二限目の開始を告げるチャイムが響き渡る。彼女の周りに出来ていた人集りは散り散りになっていく。やっと、僕も椅子に座れた。
「人気者だったね」
「君ずっと迷惑そうにこっち見てたでしょ?」
「椅子に座れないからね、迷惑だよ」
「それもそっか〜」
授業が始まり彼女との会話はここで終わる。また、ちょっかいでもかけてくるのかと思っていたが、別にそんなことはなく普通に授業は進行していった。
なんとなく、彼女の方を見てみるとそこには寝息をかいている姿があった。とても気持ちよさそうに寝ている。
僕は筆箱から消しゴムを取り出す。彼女のおでこを標的に、消しゴムを投げる。ぺちっ、と彼女のおでこに消しゴムは命中する。
「……君、私の睡眠を邪魔したね」
ムクリと顔を上げて彼女は起きる。おでこに投げつけられた消しゴムを手に持ちながら、怒りをあらわにする。
「さっき僕の授業を邪魔したからね。お返しだよ」
「……この消しゴムを半分に割ることも出来るんだよ?今、この消しゴムの生殺与奪の件を握ってるのは私だ。謝れば、この消しゴムの命は助けてやろう」
「これ、見える?」
僕は彼女が消しゴムを二つに割る動作をするが、気にも止めない。なぜならば、筆箱に予備の消しゴムがもう一つ入っているからだ。いつ、消しゴムの命の灯火が消えてもいいように、替えを持ってきている。
「なっ……!この消しゴム、消し子ちゃんを見捨てると言うのか!!」
「おい、月海。うるさいぞ、あと座れな」
「あ、はい。すみません」
彼女は演技に身が入り過ぎて、授業だというのに大きな声を上げて、席から立ち上がってしまった。先生に怒られた、彼女はしょんぼりとしながら席に座る。
「ふふ、あはは」
「笑い事じゃないよ。君の消しゴムのせいで怒られたじゃん」
「あんな演技に必死になるから悪いんだよ」
僕はそんな彼女を見ながら、笑い声を殺しながら笑う。彼女は顔を真っ赤にして、僕に文句をこぼす。
そんな彼女を見て、僕さらに笑う。彼女を怒らしてしまったことで、消しゴムは返してもらえなかったが、まだ替えがあるので良しとした。
クラスメイトが入ってこようといつもは気はしないのだが、クラスメイトが話している内容に、僕は耳を知らないうちに傾けてしまっていた。
「なあ、今日転校してきた。月海紅葉って子、すげえ美人じゃね?」
「分かる、普通に女優レベルだよな。告白しようかな」
なんとも低俗で高校生らしい会話なのだろうか。手を洗うふりをして会話を聞いていたが、聞く価値も無い内容だった。水にさらしていた手を引っ込めて、水滴をハンカチで拭く。トイレの扉を開けて、僕は教室に帰る。
教室に帰ると、僕の机の周りに人集りが完成していた。正確には、彼女の机の周りに人集りが出来ていた。
教室には彼女に質問する女子と男子の声が混ざりあって弾けていた。どこから来たの?好きな食べ物は?など、質問は内容は様々。
僕は椅子に座りたいのに、とても座れそうにない。仕方なく僕は授業が始まるまで、黒板前で立って待つことにする。
キンコンカンコン、と二限目の開始を告げるチャイムが響き渡る。彼女の周りに出来ていた人集りは散り散りになっていく。やっと、僕も椅子に座れた。
「人気者だったね」
「君ずっと迷惑そうにこっち見てたでしょ?」
「椅子に座れないからね、迷惑だよ」
「それもそっか〜」
授業が始まり彼女との会話はここで終わる。また、ちょっかいでもかけてくるのかと思っていたが、別にそんなことはなく普通に授業は進行していった。
なんとなく、彼女の方を見てみるとそこには寝息をかいている姿があった。とても気持ちよさそうに寝ている。
僕は筆箱から消しゴムを取り出す。彼女のおでこを標的に、消しゴムを投げる。ぺちっ、と彼女のおでこに消しゴムは命中する。
「……君、私の睡眠を邪魔したね」
ムクリと顔を上げて彼女は起きる。おでこに投げつけられた消しゴムを手に持ちながら、怒りをあらわにする。
「さっき僕の授業を邪魔したからね。お返しだよ」
「……この消しゴムを半分に割ることも出来るんだよ?今、この消しゴムの生殺与奪の件を握ってるのは私だ。謝れば、この消しゴムの命は助けてやろう」
「これ、見える?」
僕は彼女が消しゴムを二つに割る動作をするが、気にも止めない。なぜならば、筆箱に予備の消しゴムがもう一つ入っているからだ。いつ、消しゴムの命の灯火が消えてもいいように、替えを持ってきている。
「なっ……!この消しゴム、消し子ちゃんを見捨てると言うのか!!」
「おい、月海。うるさいぞ、あと座れな」
「あ、はい。すみません」
彼女は演技に身が入り過ぎて、授業だというのに大きな声を上げて、席から立ち上がってしまった。先生に怒られた、彼女はしょんぼりとしながら席に座る。
「ふふ、あはは」
「笑い事じゃないよ。君の消しゴムのせいで怒られたじゃん」
「あんな演技に必死になるから悪いんだよ」
僕はそんな彼女を見ながら、笑い声を殺しながら笑う。彼女は顔を真っ赤にして、僕に文句をこぼす。
そんな彼女を見て、僕さらに笑う。彼女を怒らしてしまったことで、消しゴムは返してもらえなかったが、まだ替えがあるので良しとした。