会えば会う程、私は陽向の事を知っていき、逆もまた然りだった。


同じ大学三回生だけれど、彼の年齢が私より一つ上だと知ったの昨日の事だ。何でも高校二年生の時に色々あったらしく、一年留年する事になったらしい。一体何があったのだろうか。気になって思わず質問を口にしてしまいそうになったものの、声にするのは憚られた。



私には陽向に言えてない話が沢山ある。まだ言いたくない話だってある。それこそ、陽光に関する話は殆どしていない。それと同じで、彼にだって私には言えない話や言いたくない話もあるだろう。



そう思案した時に、浮かんだ疑問を全てぶつけるのは違う気がしたのだ。

派手な髪色と左耳に連なっている大量のピアスと云う外観から受ける印象を裏切り、知的で真面目で繊細な内面を持っている人物だと云う事も知ったし、容姿の美しさ故に異性からの告白が絶えない人間だと云う事も知った。



左利きで、嫌いな食べ物はセロリとピーマンと云う子供らしい一面もあって、意外と表情豊かですぐに感情が顔に出る所がある。


知れば知る程、彼と陽光の似ている所はカフェオレ好きだと云う点以外見つからなかった。それなのに知れば知る程、陽向のふとした瞬間に見せる仕草や言葉の中に陽光を見つけてしまう自分がいた。


頭ではちゃんと理解していた。陽光と陽向は赤の他人だし、こうして比較するのは両者に失礼だと私の理性はちゃんと弁えていた。けれど、本能的な部分が無意識に陽向の中から陽光を探しては、私の胸を高鳴らせてしまう。



それだけが、充実し始めた生活で唯一私が頭を悩ませる問題だった。