お父さんの夢は、お母さんの夢になって、そして、あたしと聖弥くんの夢になった。
あたし、イチゴが大好き。
聖弥くんと出会わせてくれた、お父さんのイチゴが大好き。
そっと聖弥くんを見上げた。
「聖弥くんの歌、毎日このイチゴに聴かせてね?」
彼も、すっとあたしを見下ろす。
「日向も一緒にな」
「うんっ。あたし、イチゴ大好き。聖弥くんは?」
「もちろん。特に……、透き通った歌声が素敵な、可愛いちっちゃなイチゴが大好きだな」
「あはは」
聴いて、お母さん。
聴いて、お父さん。
あたしの本当の歌声、あたしの本当の『ソプラノ』。
まっすぐ前を向いて、大きく息を吸った。
ふたりで奏でる主旋律が、この大空のずっとずっと向こうまで届くように。
おわり
あたし、イチゴが大好き。
聖弥くんと出会わせてくれた、お父さんのイチゴが大好き。
そっと聖弥くんを見上げた。
「聖弥くんの歌、毎日このイチゴに聴かせてね?」
彼も、すっとあたしを見下ろす。
「日向も一緒にな」
「うんっ。あたし、イチゴ大好き。聖弥くんは?」
「もちろん。特に……、透き通った歌声が素敵な、可愛いちっちゃなイチゴが大好きだな」
「あはは」
聴いて、お母さん。
聴いて、お父さん。
あたしの本当の歌声、あたしの本当の『ソプラノ』。
まっすぐ前を向いて、大きく息を吸った。
ふたりで奏でる主旋律が、この大空のずっとずっと向こうまで届くように。
おわり