その向こうには、翔太のお父さんと、水城先生の姿も見える。
そして、すっと上げた視線の先には……、窓から見下ろす、満面の笑みのお母さん。
「お母さん、笑ってる。あー、でも聖弥くんのお母さん、やっぱり来てないね。何度も誘ったのに」
「ありがとな。気を遣ってくれて。しかし日向、よく平気で俺の母親に電話できるな」
「いろいろ話して分かったの。お母さん、たぶん、寂しいんだと思うよ? あ、今度ね? 小夜ちゃんちで、聖弥くんのお母さんと小夜ちゃんと一緒にジャム作りやるの。お母さんが教えて欲しいって」
「ふうん。あのとき食ったジャムがよほど美味かったんだろうな」
ちょっと苦笑いした聖弥くん。
大丈夫。
聖弥くんのお母さんも、あたしのお母さんと同じようにきっと元気になるから。
そうやってふたりでちょっとコソコソ話していると、突然、青空をつんざくような大音量のアニメ声が響き渡った。
「ひなっ! コンサートを始める前に、あんたへのサプライズよっ!」
「えっ?」
いや、サプライズって、普通は言わないもんじゃ……。
なんなんだって思いながら小夜ちゃんを見ると、小夜ちゃんがあたしの視線とは反対のほうをちょいちょいと指さした。
振り向くと見えたのは、列になって行進してくる我が最愛の弟たち。
さらに、なんだなんだと思いながら見ていると、三人はステージ下のジャガイモたちの前に並んで、ビシッとキヲツケした。
右から、晃、陽介、光輝。
晃の手には、なにやら白い手提げビニール袋がぶら下がっている。
「コンサート頑張ってっ!」
そして、すっと上げた視線の先には……、窓から見下ろす、満面の笑みのお母さん。
「お母さん、笑ってる。あー、でも聖弥くんのお母さん、やっぱり来てないね。何度も誘ったのに」
「ありがとな。気を遣ってくれて。しかし日向、よく平気で俺の母親に電話できるな」
「いろいろ話して分かったの。お母さん、たぶん、寂しいんだと思うよ? あ、今度ね? 小夜ちゃんちで、聖弥くんのお母さんと小夜ちゃんと一緒にジャム作りやるの。お母さんが教えて欲しいって」
「ふうん。あのとき食ったジャムがよほど美味かったんだろうな」
ちょっと苦笑いした聖弥くん。
大丈夫。
聖弥くんのお母さんも、あたしのお母さんと同じようにきっと元気になるから。
そうやってふたりでちょっとコソコソ話していると、突然、青空をつんざくような大音量のアニメ声が響き渡った。
「ひなっ! コンサートを始める前に、あんたへのサプライズよっ!」
「えっ?」
いや、サプライズって、普通は言わないもんじゃ……。
なんなんだって思いながら小夜ちゃんを見ると、小夜ちゃんがあたしの視線とは反対のほうをちょいちょいと指さした。
振り向くと見えたのは、列になって行進してくる我が最愛の弟たち。
さらに、なんだなんだと思いながら見ていると、三人はステージ下のジャガイモたちの前に並んで、ビシッとキヲツケした。
右から、晃、陽介、光輝。
晃の手には、なにやら白い手提げビニール袋がぶら下がっている。
「コンサート頑張ってっ!」