「ありがとうございまーすっ! お義父さんっ!」
「ううー、俺、娘が欲しかったんだ……。いいもんだなぁ、娘から『お父さん』って呼ばれるの」
うわ、聖弥くんのお父さん、顔が真っ赤。
「さぁ、ひなっ! お母さまを呼びなさいっ!」
「うんっ」
大きく息を吸って、二階のお母さんの病室へ向かって思いきり声を張り上げる。
「おかぁーさぁーんっ! もう、見ていいよぉー!」
あたしの声を聞いて、窓からひょこっとお母さんが顔を出した。
目をぱちぱちさせて、すっごくビックリしているみたい。
いつか、聖弥くんがお母さんから聞いたって言う、お母さんの夢。
『お母さんの夢は、合唱のステージで一生懸命歌う日向を、客席から応援することだってさ』
それを、どうしても叶えてあげたいって、聖弥くんが先週言い出して。
それに翔太も小夜ちゃんも手伝うって名乗りをあげて、ついには聖弥くんのお父さんまで。
「ひなのお母さまーっ、アタシたちがお母さまの夢を叶えますわーっ! さっ、コンサートを始めるわよっ! ジャガイモーズっ、拍手っ!」
応援用のメガホンで司会を始めた小夜ちゃん。
ワーッという声とともに、野球部員たちが叩く拍手がバチバチと辺りに響く。
うわ、一年生だけかと思ったら、上級生も来てるじゃない。
マネージャー小夜ちゃん、意外に人気なのかも。
「日向、行こう」
「うん」
聖弥くんがあたしの手を引いて、優しくステージへ上らせてくれた。
足元には、野球部のみんな。
右には、メガホンを持った小夜ちゃんと、その隣で心配そうに彼女を見ている翔太。
左には、我が家のアップライトピアノに向かう、聖弥くんのお父さん。
「ううー、俺、娘が欲しかったんだ……。いいもんだなぁ、娘から『お父さん』って呼ばれるの」
うわ、聖弥くんのお父さん、顔が真っ赤。
「さぁ、ひなっ! お母さまを呼びなさいっ!」
「うんっ」
大きく息を吸って、二階のお母さんの病室へ向かって思いきり声を張り上げる。
「おかぁーさぁーんっ! もう、見ていいよぉー!」
あたしの声を聞いて、窓からひょこっとお母さんが顔を出した。
目をぱちぱちさせて、すっごくビックリしているみたい。
いつか、聖弥くんがお母さんから聞いたって言う、お母さんの夢。
『お母さんの夢は、合唱のステージで一生懸命歌う日向を、客席から応援することだってさ』
それを、どうしても叶えてあげたいって、聖弥くんが先週言い出して。
それに翔太も小夜ちゃんも手伝うって名乗りをあげて、ついには聖弥くんのお父さんまで。
「ひなのお母さまーっ、アタシたちがお母さまの夢を叶えますわーっ! さっ、コンサートを始めるわよっ! ジャガイモーズっ、拍手っ!」
応援用のメガホンで司会を始めた小夜ちゃん。
ワーッという声とともに、野球部員たちが叩く拍手がバチバチと辺りに響く。
うわ、一年生だけかと思ったら、上級生も来てるじゃない。
マネージャー小夜ちゃん、意外に人気なのかも。
「日向、行こう」
「うん」
聖弥くんがあたしの手を引いて、優しくステージへ上らせてくれた。
足元には、野球部のみんな。
右には、メガホンを持った小夜ちゃんと、その隣で心配そうに彼女を見ている翔太。
左には、我が家のアップライトピアノに向かう、聖弥くんのお父さん。