ユタカに振り向いて欲しいのに、やめたい。
ユタカに抱きしめて欲しいのに、やめたい。
お金を稼ぐ事をやめられない…。
どうすればいいか分からない…。
だけど、よく分からない男性について行くことは無くなった。コウセイが紹介してくれた店1本だけになった。
だけどそれだと、ユタカに言った200万は程遠い…。嘘つきだと思われたら、ユタカに嫌われてしまうかもしれない…。
──そんな時、私は知ってしまう。
この世には、お金を借りれるところが存在する事を。
私が見つけたその場所は、「10日1割」でお金を借りれる場所らしく。だから100万円借りれば、10日後にその1割の利子を含めた110万を返さなければならない。
「悪いけど初回の人は限度額30万でね」と、そのお金を貸してくれる男性の人は言っていた。
30万…。つまり10日後に33万返さないといけないってこと。
クリスマスイベントは、明日…。
それでもその男性は、「おねーさん、へぇ、あそこで働いてるの…」と、含み笑いをしながら「だったら100万限度でいいよ、どうする?」と言っていた限度額を変えた。
もちろん、10日間でそんなにも稼げるわけなんてない。だから30万で…と言おうとしたけど。
もし、100万円なら…。
私はきっと稼ぐことしかしないだろう。
店に行かずに、すむかもしれない…。
私はこれから、ユタカじゃなくてこの男性にお金を払い続けるって事だから…。
もうコウセイとも会わない…ですむ。
「利子が大きいから、今のところでは稼げないだろうし、こっちが紹介する店に行くことになるだろうけど」
コウセイの紹介してくれた店から…。
「それでもいいなら、100万」
「……そこは、本番はあるんですか」
「ああ…デリが希望? デリでも少し危ないプレイはしてもらう事になるよ」
「……」
「どうする?」
どうする……。
そんなの……。
ふと、コウセイの煙草を吸っている横顔を思い出した……。
もう何も考えたくない……。
クリスマスイベントは盛り上がっていた。ユタカが私の席についても、私は笑えなかった。財布の中は空っぽ。
帰り際、初めてユタカにエレベーターの中でキスをされた。
そのキスは全く幸せではなかった…。
コウセイが紹介してくれた店の店長に、辞める事を告げた。「どうして?」と驚いたように聞かれた。
違う店で働きますと正直に言った。どこの店と聞かれ、私はそれも正直に言った。
店長は怖い顔をしながら眉を寄せていた。
新しい店は、本番が無いと聞かされていた。けれども「悪いけどデリはいっぱいでね」と、私は本番がある店に連れてこられた。
ここはソープという、お店らしく。
安っぽい、お店だった。
気持ち悪い男性に抱かれながら、コウセイの言葉を思います。「どうでもいい女なら、安っぽいソープに紹介してる」という言葉を。
その日の夜、私は泣いた。
コウセイがくれたチョコレートを食べた。
それでも涙が止まらなかった。
ユタカに抱きしめて欲しいのに、やめたい。
お金を稼ぐ事をやめられない…。
どうすればいいか分からない…。
だけど、よく分からない男性について行くことは無くなった。コウセイが紹介してくれた店1本だけになった。
だけどそれだと、ユタカに言った200万は程遠い…。嘘つきだと思われたら、ユタカに嫌われてしまうかもしれない…。
──そんな時、私は知ってしまう。
この世には、お金を借りれるところが存在する事を。
私が見つけたその場所は、「10日1割」でお金を借りれる場所らしく。だから100万円借りれば、10日後にその1割の利子を含めた110万を返さなければならない。
「悪いけど初回の人は限度額30万でね」と、そのお金を貸してくれる男性の人は言っていた。
30万…。つまり10日後に33万返さないといけないってこと。
クリスマスイベントは、明日…。
それでもその男性は、「おねーさん、へぇ、あそこで働いてるの…」と、含み笑いをしながら「だったら100万限度でいいよ、どうする?」と言っていた限度額を変えた。
もちろん、10日間でそんなにも稼げるわけなんてない。だから30万で…と言おうとしたけど。
もし、100万円なら…。
私はきっと稼ぐことしかしないだろう。
店に行かずに、すむかもしれない…。
私はこれから、ユタカじゃなくてこの男性にお金を払い続けるって事だから…。
もうコウセイとも会わない…ですむ。
「利子が大きいから、今のところでは稼げないだろうし、こっちが紹介する店に行くことになるだろうけど」
コウセイの紹介してくれた店から…。
「それでもいいなら、100万」
「……そこは、本番はあるんですか」
「ああ…デリが希望? デリでも少し危ないプレイはしてもらう事になるよ」
「……」
「どうする?」
どうする……。
そんなの……。
ふと、コウセイの煙草を吸っている横顔を思い出した……。
もう何も考えたくない……。
クリスマスイベントは盛り上がっていた。ユタカが私の席についても、私は笑えなかった。財布の中は空っぽ。
帰り際、初めてユタカにエレベーターの中でキスをされた。
そのキスは全く幸せではなかった…。
コウセイが紹介してくれた店の店長に、辞める事を告げた。「どうして?」と驚いたように聞かれた。
違う店で働きますと正直に言った。どこの店と聞かれ、私はそれも正直に言った。
店長は怖い顔をしながら眉を寄せていた。
新しい店は、本番が無いと聞かされていた。けれども「悪いけどデリはいっぱいでね」と、私は本番がある店に連れてこられた。
ここはソープという、お店らしく。
安っぽい、お店だった。
気持ち悪い男性に抱かれながら、コウセイの言葉を思います。「どうでもいい女なら、安っぽいソープに紹介してる」という言葉を。
その日の夜、私は泣いた。
コウセイがくれたチョコレートを食べた。
それでも涙が止まらなかった。