それでも引き下がることはせず、さらに食い下がる和也。

「確かにデマンドタクシーは安いかもしれないけどそれって乗り合いでしょ? それに事前に予約が必要みたいじゃない。移動販売にしたってそうだよ、そんなの来てくれるのはいいけど割高なんじゃないの?」

「確かに高いかもしれないわね」

「そうだろ? そんなのばかり買っていたら金がもったいないよ」

更に畳み掛けるように続ける和也。

「俺達と一緒に住めば住宅地の中にスーパーもクリニックも、必要な施設はほとんど揃ってるんだ、もちろんコンビニだってね、かあさんコンビニ行ったことないだろ?」

「そうね、この辺は街まで出ないとないから、でもやっぱりこの土地を離れる事なんてできないわ、先祖の代から代々受け継いだ土地だもの、この土地を守って行かないと」