「実をいうとあたし自身近所の人たちから毎日白い目で見られて我慢の限界だわ、パパもそうでしょ?」

「だけど建てたばかりの家をそう簡単に手放すわけにいかないぞ!」

「あたしたちは良いわ、でも子供たちまで近所の人たちから白い目で見られているみたいなのよ、その上学校でもいじめられているなんてあまりにもかわいそうで、かと言っていつまでも学校を休ませておくわけにもいかないし」

「これもみんなおやじのせいということか、まったくとんでもないことやってくれたよな?」

 その後も幸代を含めた三人で時間を見つけては話し合いが進められ、

遂にこの土地を離れ事件の事など誰も知らない土地に引っ越す事を決意した一家。

せっかく新築で建てたばかりの家を手放すこととなってしまった一家だが、

それでも子供たちを守れるならと思っての事だった。


  【完】