事故後和也たちは飯塚という弁護士を立て、

今後の対応などを話し合っていた。

 そして最後に飯塚はある指示を出す。

「渡辺さん、被害者たちとの対応も私がやりますので全て任せていただけますか? 謝罪なども行わないでください」

「謝罪もですか?」

「はい、もしその場で賠償金などの余計な話が出てしまうと後でやりにくくなってしまいます」

「分かりました」

 ところがその後、

お向かいさんということもあり何もしない訳にいかないと思った和也は由美とともに向かいの高野家に謝罪に向かっていた。

 高野家を訪ねるとこの家の主、

恵一がやってきて腕組みをしながら仁王立ちしている。

「この度はうちの父が取り返しのつかないことをしでかしまして申し訳ありませんでした」

 和也の謝罪の言葉に続いて二人で深々と頭を下げるが、

それに対し恵一の口から発せられた言葉は当然といえるものだった。

「良くのこのことこれたものだな、どの面下げてきた!」

 さらに謝罪の言葉を口にする和也。