和也たち一家が引っ越しを済ませ、

和義たちも和也の新居に移り住んで少したったある日の日曜日、

家に真新しいある物が届いた。

インターフォンの鳴る音にモニター越しに応答する由美。

「はい」

「ご注文の品を配達にまいりました。渡辺和也さんのお宅はこちらでよろしいでしょうか?」

 その声にいち早く反応したのは和也であり、

そのまま由美に代わりインターフォンで応対する。

「お待ちしていました、今出ます」

 和也は奥でくつろいでいた和義に声をかける。

「親父ちょっと来てくれ」

「なんだどうした?」

 和義が息子の後に続き外に出るとそこには一台のトラックが止まっており、その荷台に載っていた物体に驚きの声を上げる。

「なんだこれは!」

「なんだって見ればわかるだろ、セニアカーだよ」

 平然と応える和也に対し和義はわずかながら怒りを持って訪ねる。

「そんなことを聞いているんじゃないよ、どうしてこんなものがここにあるんだって聞いてんだ」

「随分と前から何度も言っているけど親父にはもう車には乗らないでほしいんだ! 親父何度言っても言うこと聞いてくれないだろ、だからその代わりにこいつを用意したんだ、これなら法律上歩行者扱いになるからな、何かあってもそれほどスピード出ないから危なくないと思って? ハンドルから手が離れれば自動で止まるしね」