「グウウウゥゥ…… 」
「エサが足りないか。わかった。もう一匹狩ってきてやる」
「ガウウぅ…… グルルルウッぅ」
「食う量が日増しに増えやがるな」
「日野! 狩りを続けていると、いずれ見つかるぞ」
「大丈夫だ。証拠は残していない。心配し過ぎだ。斎川」
 日野晃は、19歳である。顔にはまだ子どものあどけなさを残すが、特殊な能力を生まれつき持っていた。