難しい役割を背負わせてしまった。

 私が完遂していれば炎上もすぐ納まり、会社への風当たりだって弱まっただろうに。

 死ねなかったせいで、かけたくなかった迷惑がどんどん積み重なっていく。

 病室に横たわる身体は、今も心臓を動かしながらこんこんと眠りについている。

 生きていれば、眠っていても瞼は動くなんて聞いたことがある。眼球を包んだまろいそれは石のように固まり、手首には包帯が巻かれ、確かに死のうとしていた証明があった。

 でも死ねなかった。