慎くんは、ゆっくりと微笑んだ。
私の好きな雰囲気の慎くん。
慎くんは「ありがとう…」と小さく呟いた。






慎くんは、1日学校にいる中で、この20分間だけサングラスを外す。私だけが見れる慎くんの素顔に、結構嬉しかったりする。

私が慎くんのことを唯斗って呼ぶようになった頃、慎くんは私の部屋でサングラスを外すようになった。
部屋は薄暗くしているけど、やっぱりそれほど苦にはならなかった。
一緒に勉強するときは電気をつけるけど、それでも私の前でサングラスを外すしてくれるのは、慎くんの心は成長しているんだと思う。



高校卒業の時、慎くんは写真撮影のときサングラスをつけていた。それでも私とのツーショットを撮る時はフラッシュをたいてはいなかったけどサングラスはつけてはいなく。


太陽は見れないけど、少しずつ電気のヒカリをみない事を〝卒業〟している彼は、新庄くんが驚くほどサングラスを外す事が多くなっていった。









────そして、そんな今、青い色のサングラスをつけないまま写真撮影を行った結婚式のアルバムを見ていた。

映画は見れない。
花火も見れない。
外せるのは室内だけ。
それでも私のことを直接見れる慎くんさえいえれば、それでいいと思う。


そんな慎くんは、私を抱きしめながら、結婚して子供が生まれた数年後も言ってくる。
「陽葵は俺の太陽だったよ」と。