〇街(夜)
ベネスに近づくため歩いていくジェン。
ジェンの体に魔生物が巻き付いた状態で出現する。
ベネス、指を鳴らす。
ジェンの体が爆発する。
何度も爆発が繰り返されるが、ジェンの歩みは止まらない。
ベネス、魔生物を出現させるのをやめる。
ベネス「(ジェンを見て)……」
ジェン「その爆発能力じゃ、オレは殺せない」
ベネス「……そうか」
と、ジェンに手の平を向ける。
ジェン「!」
ベネスの手の平からパリパリと黒い電気が発生する。
ベネス「ならば、跡形もなく消し飛べ」
ロイ「(ジェンに)よけろ!」
ベネス「ブラックショック」
ベネスの手の平から巨大な黒いエネルギー波が勢いよく放出される。
ジェン「ひっ!」
黒いエネルギー波が直撃したジェン、街の外の荒地まで消し飛ぶ。
ベネス「モブキャラごときにかわせるわけがない」
〇真っ白な空間
目が覚めるジェン。
リリー「あっけなく死んじゃったね。次の条件は、魔王を街から追い払え」
ジェン「ビンタより難しくなってるだろ」
リリー「その代わり、魔王と同じ黒のエネルギー波を放出できる力を獲得してるよ」
ジェン「!」
リリー「でも、魔王の爆発能力に対する耐性はなくなってるから、気をつけてね」
〇街(夜)
ベネス、ロイの方に顔を向ける。
ベネス「次はおまえだ」
荒地から光が放たれる。
ベネス「(光の方を見て)……まさか」
光の中からジェンが現れる。
ベネス「奴は、いったい……」
ジェン、ベネスに向かって手の平を向ける。
ベネス「?」
ジェンの手の平から黒い電気がパリパリと発生する。
ベネス「(驚いた表情で)馬鹿な……」
ジェン「ブラックショック」
ジェンの手の平から巨大な黒のエネルギー波が勢いよく放出される。
ベネス「くっ……」
と、両手を使って自分に向かってくるエネルギー波を直角にそらす。
自分の手を見つめるジェン。
ジェン(M)「いける! これなら、魔王を追い払うこともできる」
ベネス、即座に小刀を取り出し、物凄い力でジェンに向かって投げる。
ロイ「よけろ!」
ジェン「(小刀を視認できず)え?」
遠くから飛んできた小刀がジェンの心臓を貫く。
ジェン「ぐわあああっ!」
と、地面に倒れて苦しむ。
ベネス「刃物はきくようだな」
動かなくなるジェン。
〇真っ白な空間
目が覚めるジェン。
ジェン「この空間に来れば痛みを感じなくなるんだな」
リリー「そうだよ。次の条件は魔王に深手を負わせろ」
ジェン「深い傷か」
リリー「時間を1時間までもどせる能力と、魔王と同じレベルの身体能力を獲得してる」
ジェン「ブラックショックはもう使えないのか?」
リリー「うん、リセットされてる」
ジェン「時間をもどすって?」
リリー「ジェンと魔王以外の時間を1時間までならもどすことができる。ただし、そのことを魔王に説明しないと使用できない能力だよ」
〇荒地(夜)
倒れているジェンに近づいてくるベネス。
ベネス「……どうやら死んだようだな」
小刀が刺さっているジェンの体が消える。
ベネス「!」
光を放ちながらジェンが現れる。
ベネス「何の能力だ?」
ジェン「……時間を1時間までならもどすことができる能力だ。ただし、オレとおまえには適用されない」
ベネス「おまえに適用されないなら、なぜ刃物が刺さったおまえは元通りになっている?」
ジェン「……」
ベネス(M)「なにか嫌な予感がするな。少し力を失うことなるが、別次元に永久に閉じ込めるか。そのためには至近距離まで奴に近づく必要がある……」
ジェン、街の方へ猛スピードで走りだす。
ベネス(M)「なんだ、あの走力は……オレ様と変わらない」
と、ジェンを追い始める。
ジェン「(走りながらベネスを見て)……」
ベネスの後方から黒のエネルギー波が迫ってくる。
ベネス「(後方から迫る黒のエネルギー波に気づいて)なに!?」
ジェン、斜め前方に一気にジャンプする。
ベネス「くっ……」
と、ジェンと同じように斜め前方の地面に一気にジャンプして黒のエネルギー波をかわす。
ジェン「(かわしたベネスを見て)くそっ……」
ベネス(M)「……後方からブラックショックが。さっき奴がブラックショックを放った場所の時間をもどして、再度発生させたのか」
前方から黒のエネルギー波がジェンとベネスに向かってくる。
ジェン、斜め前方に一気にジャンプして黒のエネルギー波をかわす。。
ベネス「オレ様が放ったものか。不意を突かないかぎり当てることなどできんぞ!」
と、ジェンと同じようにブラックショックをかわす。
〇街(夜)
ジェン、建物を背に立ち止まってベネスに手の平を向ける。
ベネス「ブラックショックか、やってみろ」
動きを止めたままのジェン。
猛スピードでジェンに向かってくるベネス。
ベネスの真横から黒いエネルギー波が出現する。
ベネス「くっ! さっきオレ様がそらしたブラックショックか!」
と、前方の空中にジャンプしてかわす。
空中から迫るベネスに手の平を向けるジェン。
ベネス、小刀を取り出してジェンに投げつける。
ジェンの足に小刀が突き刺さる。
ジェン「(痛くて)っ……」
ベネス「ブラックディメンション……」
と、両手で黒い球体をつくりだす。
ジェン(M)「(黒い球体を見て)なんだ!? 嫌な感じがする」
ベネスの体が背後から剣で貫かれる。
ベネス「(驚いた表情で)な!?」
ベネスの背中に剣を突き刺しているロイ。
ロイ「なんでかオレの傷と痛みがなくなっててね」
ベネス「……マリフォードの時間も、もどしていたのかっ」
ジェン「(したり顔で笑む)」
ロイ「終わりだ、ベネス」
と、ベネスを斬る。
ベネス「くそっ……」
と、地面に落下していく。
その様子を遠くから見ているルイス。
ルイス「(ジェンを見つめて)見つけた、最強の仲間」
地面で倒れているベネス。
ジェン「(ほっとした表情で)やった……」
地面に座り込むジェン。
ジェン「(足に刺さっている小刀を抜いて)ぐっ……」
ロイ「大丈夫か?」
と、ジェンに駆け寄る。
地面に倒れていたベネス、カッと目を開ける。
ベネス「おぎゃああああああああああああ!」
ジェン・ロイ「!」
絶叫するベネス。
ロイ「(構えて)くそっ、まだ生きてるのか!?」
ジェン「心配いりませんよ。たぶんオレの能力の呪いが発動したんです」
ロイ「呪いなんかで……あの魔王がこんなみっともなく泣きわめくのか?」
ジェン「オレが能力を使って倒した敵は、たとえ死んでいても生き返って、今までそいつが傷つけたり殺したりした者たちと同じ苦痛を体験したあとに破滅するらしいです」
泣き叫んでいるベネス。
ジェン「だから今、魔王によって殺された者たちと同じ苦痛を味わってるんですよ。泣きわめくほどの苦痛を受けた者がいれば、魔王も泣きわめくほどの苦痛を味わうことになるってことです」
ロイ「それは爽快だな」
ベネス「ぎゃあああああああああああ!」
ロイ「(ジェンに)立てるか? 無理なら背負うぜ。治療所に行こう」
ジェンを背負うロイ。
ベネス「だあああああああああああ!」
ロイ「うるせえなあ」
ジェン「(ベネスを見て)……」
ロイ「どうしてあんな凄まじい能力をもってる?」
ジェン(M)「一度死んで、禁じられた悪魔の呪いをかけられ、闇の力を手にして生き返ったとか言ったらやばいよな……」
ジェン「なぜか凄い力が急に使えるようになって」
ロイ「……そうか。君は一体何者だ?」
ジェン「ただのモブキャラです」
〇真っ白な空間
邪神とリリーが立っている。
リリー「うまくいったね」
邪神「ああ。これで私に魂を捧げなければいけなくなる」
(続く)
ベネスに近づくため歩いていくジェン。
ジェンの体に魔生物が巻き付いた状態で出現する。
ベネス、指を鳴らす。
ジェンの体が爆発する。
何度も爆発が繰り返されるが、ジェンの歩みは止まらない。
ベネス、魔生物を出現させるのをやめる。
ベネス「(ジェンを見て)……」
ジェン「その爆発能力じゃ、オレは殺せない」
ベネス「……そうか」
と、ジェンに手の平を向ける。
ジェン「!」
ベネスの手の平からパリパリと黒い電気が発生する。
ベネス「ならば、跡形もなく消し飛べ」
ロイ「(ジェンに)よけろ!」
ベネス「ブラックショック」
ベネスの手の平から巨大な黒いエネルギー波が勢いよく放出される。
ジェン「ひっ!」
黒いエネルギー波が直撃したジェン、街の外の荒地まで消し飛ぶ。
ベネス「モブキャラごときにかわせるわけがない」
〇真っ白な空間
目が覚めるジェン。
リリー「あっけなく死んじゃったね。次の条件は、魔王を街から追い払え」
ジェン「ビンタより難しくなってるだろ」
リリー「その代わり、魔王と同じ黒のエネルギー波を放出できる力を獲得してるよ」
ジェン「!」
リリー「でも、魔王の爆発能力に対する耐性はなくなってるから、気をつけてね」
〇街(夜)
ベネス、ロイの方に顔を向ける。
ベネス「次はおまえだ」
荒地から光が放たれる。
ベネス「(光の方を見て)……まさか」
光の中からジェンが現れる。
ベネス「奴は、いったい……」
ジェン、ベネスに向かって手の平を向ける。
ベネス「?」
ジェンの手の平から黒い電気がパリパリと発生する。
ベネス「(驚いた表情で)馬鹿な……」
ジェン「ブラックショック」
ジェンの手の平から巨大な黒のエネルギー波が勢いよく放出される。
ベネス「くっ……」
と、両手を使って自分に向かってくるエネルギー波を直角にそらす。
自分の手を見つめるジェン。
ジェン(M)「いける! これなら、魔王を追い払うこともできる」
ベネス、即座に小刀を取り出し、物凄い力でジェンに向かって投げる。
ロイ「よけろ!」
ジェン「(小刀を視認できず)え?」
遠くから飛んできた小刀がジェンの心臓を貫く。
ジェン「ぐわあああっ!」
と、地面に倒れて苦しむ。
ベネス「刃物はきくようだな」
動かなくなるジェン。
〇真っ白な空間
目が覚めるジェン。
ジェン「この空間に来れば痛みを感じなくなるんだな」
リリー「そうだよ。次の条件は魔王に深手を負わせろ」
ジェン「深い傷か」
リリー「時間を1時間までもどせる能力と、魔王と同じレベルの身体能力を獲得してる」
ジェン「ブラックショックはもう使えないのか?」
リリー「うん、リセットされてる」
ジェン「時間をもどすって?」
リリー「ジェンと魔王以外の時間を1時間までならもどすことができる。ただし、そのことを魔王に説明しないと使用できない能力だよ」
〇荒地(夜)
倒れているジェンに近づいてくるベネス。
ベネス「……どうやら死んだようだな」
小刀が刺さっているジェンの体が消える。
ベネス「!」
光を放ちながらジェンが現れる。
ベネス「何の能力だ?」
ジェン「……時間を1時間までならもどすことができる能力だ。ただし、オレとおまえには適用されない」
ベネス「おまえに適用されないなら、なぜ刃物が刺さったおまえは元通りになっている?」
ジェン「……」
ベネス(M)「なにか嫌な予感がするな。少し力を失うことなるが、別次元に永久に閉じ込めるか。そのためには至近距離まで奴に近づく必要がある……」
ジェン、街の方へ猛スピードで走りだす。
ベネス(M)「なんだ、あの走力は……オレ様と変わらない」
と、ジェンを追い始める。
ジェン「(走りながらベネスを見て)……」
ベネスの後方から黒のエネルギー波が迫ってくる。
ベネス「(後方から迫る黒のエネルギー波に気づいて)なに!?」
ジェン、斜め前方に一気にジャンプする。
ベネス「くっ……」
と、ジェンと同じように斜め前方の地面に一気にジャンプして黒のエネルギー波をかわす。
ジェン「(かわしたベネスを見て)くそっ……」
ベネス(M)「……後方からブラックショックが。さっき奴がブラックショックを放った場所の時間をもどして、再度発生させたのか」
前方から黒のエネルギー波がジェンとベネスに向かってくる。
ジェン、斜め前方に一気にジャンプして黒のエネルギー波をかわす。。
ベネス「オレ様が放ったものか。不意を突かないかぎり当てることなどできんぞ!」
と、ジェンと同じようにブラックショックをかわす。
〇街(夜)
ジェン、建物を背に立ち止まってベネスに手の平を向ける。
ベネス「ブラックショックか、やってみろ」
動きを止めたままのジェン。
猛スピードでジェンに向かってくるベネス。
ベネスの真横から黒いエネルギー波が出現する。
ベネス「くっ! さっきオレ様がそらしたブラックショックか!」
と、前方の空中にジャンプしてかわす。
空中から迫るベネスに手の平を向けるジェン。
ベネス、小刀を取り出してジェンに投げつける。
ジェンの足に小刀が突き刺さる。
ジェン「(痛くて)っ……」
ベネス「ブラックディメンション……」
と、両手で黒い球体をつくりだす。
ジェン(M)「(黒い球体を見て)なんだ!? 嫌な感じがする」
ベネスの体が背後から剣で貫かれる。
ベネス「(驚いた表情で)な!?」
ベネスの背中に剣を突き刺しているロイ。
ロイ「なんでかオレの傷と痛みがなくなっててね」
ベネス「……マリフォードの時間も、もどしていたのかっ」
ジェン「(したり顔で笑む)」
ロイ「終わりだ、ベネス」
と、ベネスを斬る。
ベネス「くそっ……」
と、地面に落下していく。
その様子を遠くから見ているルイス。
ルイス「(ジェンを見つめて)見つけた、最強の仲間」
地面で倒れているベネス。
ジェン「(ほっとした表情で)やった……」
地面に座り込むジェン。
ジェン「(足に刺さっている小刀を抜いて)ぐっ……」
ロイ「大丈夫か?」
と、ジェンに駆け寄る。
地面に倒れていたベネス、カッと目を開ける。
ベネス「おぎゃああああああああああああ!」
ジェン・ロイ「!」
絶叫するベネス。
ロイ「(構えて)くそっ、まだ生きてるのか!?」
ジェン「心配いりませんよ。たぶんオレの能力の呪いが発動したんです」
ロイ「呪いなんかで……あの魔王がこんなみっともなく泣きわめくのか?」
ジェン「オレが能力を使って倒した敵は、たとえ死んでいても生き返って、今までそいつが傷つけたり殺したりした者たちと同じ苦痛を体験したあとに破滅するらしいです」
泣き叫んでいるベネス。
ジェン「だから今、魔王によって殺された者たちと同じ苦痛を味わってるんですよ。泣きわめくほどの苦痛を受けた者がいれば、魔王も泣きわめくほどの苦痛を味わうことになるってことです」
ロイ「それは爽快だな」
ベネス「ぎゃあああああああああああ!」
ロイ「(ジェンに)立てるか? 無理なら背負うぜ。治療所に行こう」
ジェンを背負うロイ。
ベネス「だあああああああああああ!」
ロイ「うるせえなあ」
ジェン「(ベネスを見て)……」
ロイ「どうしてあんな凄まじい能力をもってる?」
ジェン(M)「一度死んで、禁じられた悪魔の呪いをかけられ、闇の力を手にして生き返ったとか言ったらやばいよな……」
ジェン「なぜか凄い力が急に使えるようになって」
ロイ「……そうか。君は一体何者だ?」
ジェン「ただのモブキャラです」
〇真っ白な空間
邪神とリリーが立っている。
リリー「うまくいったね」
邪神「ああ。これで私に魂を捧げなければいけなくなる」
(続く)