その人は、いつでも眠そうで、ボーッとしている。

 だけど、嘘には敏感で、隠している不安さえも、彼にはお見通しだった。

 友達が俺しかいなくて、恋愛初心者で(こじ)らせ過去すがり野郎な先輩は、俺の憧れの人。

 そして、恋敵(こいがたき)

 あの日、本当に先輩が嫌いだった。

 けど、今は最高に憧れている人。

 きっと、この先、これからも、俺はこの人の後ろを追っかけ回すのだろうか。