「そう言えば今日、彼女さんと一緒にいるとこ、見ちゃった。」

「えっ!いつ?」

「お昼休み。」

「ああ……一緒に弁当食べてた時だ。」

照れながら笑う恭平。

そんな顔、想像もしていなかった。


「恭平、巴里!遅っせーぞ。」

昇降口で優斗が、待っていた。

「ごめん、優斗。」

靴を履いて、3人一緒に外に出ると、恭平だけが立ち止まった。

「恭平?」

「ああ……まだ彼女が残ってるんだ。もう少し待つから、先帰って。」

胸がズキッとなる。


「はいはい、ラブラブですね。行こう、巴里。」

「うん。」

私は、恭平を気にしながら、彼に背中を向けた。

足が重い。

恭平に彼女ができたと聞いてから、足取りはどんどん、重くなるばかりだ。