ピーっと鳴った後、私の心は温かさでいっぱいだった。

忘れられない……

こんな事されたら、忘れられないよ、恭平。

こんなに優しい恭平を、どうして忘れられるの?


「恭平。なんでそんなにずるいの?…」


彼女がいるくせに。

私の事、何とも思ってないくせに。

どうしてわざわざ、留守電なんかに、こんな事吹き込むの?


「好きだよ、恭平……」

そうつぶやいて、私はまた声をあげて、泣き崩れた。