家に帰った後、私はベッドに横になって、ボーっと考えていた。

今は春休みだから、恭平に会えるのは、帰る時だけ。

恭平は彼女と帰るから、会うと言っても、ほんの1・2分だけ。


忘れられる……

春休みの間に、忘れる事ができる……


「恭平……」

呼んでも応えてくれないのに。

どうしても、恭平を呼ばずにはいられない。


そんな時、電話が鳴った。

着信を見ると、恭平だ。

戸惑っている間に、留守番電話に切り替わる。


「何を吹き込んだんだろ。」

興味本位で、私は恭平の留守電を再生した。


《巴里、寝てたらごめん。やっぱりどうして泣いてたのか、未だに気になるけど、巴里が言ってくれるまで、待つことにした。
言えるようになったら、遠慮なく話して。俺はいつでも、巴里の味方だから。 》