「って言うかさ。何で俺の言う事、信用しないかな。」

「安心しろ。サッカーやってる時は、信用してる。」

「ヒー!今、男同士の友情にヒビが!」


そんな二人の会話の間に、私は一人で歩き始める。

「あっ、巴里。」

優斗だけが、私の後を追って来てくれた。

その後も、距離を保ちながら、私の後ろを歩く優斗。


「なあ、巴里。明日の数学、当たるとこ答え教えて。」

「やだよ。自分で考えなさい。」

「冷て~。」

「恭平に聞けば?3人の中で数学が得意なのは、恭平だけなんだから。」

「ええ~。恭平に聞くと、『おまえ、バカ?』って言われるから、ヤダ。」

「だってバカなんだから、仕方ないじゃん。」