「あっ、恭平君だ。」

彼女はまた、グランドを眺めた。

「…彼氏?」

「うん!」

嬉しそうに答える彼女。


「なんだか、ホント好きって感じだね。」

「そうだね。」

嫌みそうに言ったのに、あっさりと返された。

「実は告白したの、私からなんだ。」

「えっ……」

「一年くらいずっと片思いしてて……この前のバレンタインの時に、勇気出してチョコ渡したの。」

そんな事 恭平は言ってなかった。


「返事はホワイトデーの時でいい?って聞かれたから、ああ…ダメかな~って思ってたんだけど…」

「うん…」

「だから付き合おうって言ってくれた時には、すっごい嬉しかった!」

彼女は満面の笑顔だった。