「♪ YO YO ルーザー・ヨーカン! 小山内洋観 お供え物はもちろん羊羹! お茶請けにもってこいなのは 虎屋の羊羹! そこにいるのは偶然! はたまた必然? わたしの話し声が聞こえて お前のあたまんなか呆然! YO YO ドンカン キンカン おっと忘れちゃいけねえ酒の燗! ♪」
どこからか、無茶苦茶な韻を踏むライムが聴こえてきた。
当然あたりを見渡しても、ラッパーなどいるはずもない。
いったいどこから声が漏れてきているのか、部屋中を見渡して見るがそれらしい原因を突き止められない。
『不可能なことがらを消去していくと、いかにあり得そうになくても、残ったものこそが真実である』って、誰か偉い人がいってなかった? シャーロック・ホームズだっけ? 金田一耕助? コナン……は無いな。
まあ、そんなことはどうでもいい。
この居間には、洋観の他には飼い猫のクロエ(メス・十五歳)しかいない。
小山内家に居候する黒猫で、毛色からクロにしようか? それだとオスかメスの区別がつかないからクロエという名をつけられて早十五年。かなりのお婆ちゃん猫である。
ということは、クロエってことになる?
猫のクロエはいつから人間の言葉を話せるようになったっけ? いやいやいつからも今日からもそれは無いだろう。
「やっと答えにたどり着いたようだな。意外にもこの突然わいた、奇っ怪なファンタジック設定をすんなり受け入れるとは、やはりボンクラ童貞男子だ」
「いやいや、受け入れてないから! それが一番ありえない答えでしょう? ……って、それ以前に童貞とか今関係あるか? 童貞には童貞の誇りってもんがあるんだよ」
「童貞には……なんだって? 誇りだって? フン、所詮負け犬の遠吠えにしか聞こえないな」
「ほっとけ! 近い将来、そんな迷惑千万な不名誉な勲章とは卒業することになってるんだからな」
「はあ? どうもいうことに一貫性がないな。さっきは童貞の誇りとかなんとか偉そうなことを声高に唱えておきながら、今度は一転不名誉な勲章だと? 異な事をいうなあ、少年。どうせ今、頭に思い浮かべたのは、さしあたり幼馴染の桜ちゃんだろ?」
「う、う……、うっさいワ! 黙っとれ! ってなんでお前、急に人間の言葉を話せるようになった!? その理由を聞かせてもらってないんだが」
どこからか、無茶苦茶な韻を踏むライムが聴こえてきた。
当然あたりを見渡しても、ラッパーなどいるはずもない。
いったいどこから声が漏れてきているのか、部屋中を見渡して見るがそれらしい原因を突き止められない。
『不可能なことがらを消去していくと、いかにあり得そうになくても、残ったものこそが真実である』って、誰か偉い人がいってなかった? シャーロック・ホームズだっけ? 金田一耕助? コナン……は無いな。
まあ、そんなことはどうでもいい。
この居間には、洋観の他には飼い猫のクロエ(メス・十五歳)しかいない。
小山内家に居候する黒猫で、毛色からクロにしようか? それだとオスかメスの区別がつかないからクロエという名をつけられて早十五年。かなりのお婆ちゃん猫である。
ということは、クロエってことになる?
猫のクロエはいつから人間の言葉を話せるようになったっけ? いやいやいつからも今日からもそれは無いだろう。
「やっと答えにたどり着いたようだな。意外にもこの突然わいた、奇っ怪なファンタジック設定をすんなり受け入れるとは、やはりボンクラ童貞男子だ」
「いやいや、受け入れてないから! それが一番ありえない答えでしょう? ……って、それ以前に童貞とか今関係あるか? 童貞には童貞の誇りってもんがあるんだよ」
「童貞には……なんだって? 誇りだって? フン、所詮負け犬の遠吠えにしか聞こえないな」
「ほっとけ! 近い将来、そんな迷惑千万な不名誉な勲章とは卒業することになってるんだからな」
「はあ? どうもいうことに一貫性がないな。さっきは童貞の誇りとかなんとか偉そうなことを声高に唱えておきながら、今度は一転不名誉な勲章だと? 異な事をいうなあ、少年。どうせ今、頭に思い浮かべたのは、さしあたり幼馴染の桜ちゃんだろ?」
「う、う……、うっさいワ! 黙っとれ! ってなんでお前、急に人間の言葉を話せるようになった!? その理由を聞かせてもらってないんだが」