「う、ううん、ますます気に入ったぞ、ヨーカンくん……だったね。君がそういうと、なぜろう、自信が漲ってくるようで実に不思議な魅力を持っているなあ」

 自分のファッションセンスを認めてもらえた歓びが、そんなに嬉しいのか、トモカ先生は晴れ晴れとした微笑みシャワーを振りまいた。

 ところが、この診療所兼医師会の事務所内で働く女の子たちの反応は冷ややかだ。

 さり気なく、部屋の中で働いている女の子たちに目をやると、みな一様に「また、先生のいつもの自慢話が始まった」といわんばかりの、冷めた視線が交錯する。

 医師会の事務所と診療所を兼ねた室内には、トモカの他にも五人の女性が働いていた。それも全て若い女の子だ。女性事務職員だろうか、それとも看護師だろうか? 
 歳は皆、トモカより若そうだ。その上揃いも揃ってトモカに負けず劣らず、とびきりの和風の美少女ときている。

 しかもその彼女たちの着ている服装ってのが当然、目のやり場に困るほどの極めて危険で、犯罪を誘発しても反論できそうにもないレベルのエロい格好だ。これは一体全体どうしたもんか……。
 
 あいにく机の影で全身が見えない女の子もいるが、立ち仕事をしているコスプレまがいの服装の娘を見るかぎり、それぞれが微妙にデザインの異なった服装を着ていることが分かる。

 おそらくは白衣を下敷きにしているようだ。 胸元はガッツリ開いて、紐で窮屈そうに絞られ、おっぱいの谷間をさらに強調した部分は、男にとっては、もはや猛毒以外の何物でもなかった。

「ここまで、激エロ服を着た娘らに囲まれて僕は果報者です……」
(おっと、心の声が漏れ出ししまった)

 そんな彼女らも突然の訪問者に、何やらざわついているのが洋観にも伝わってきた。
 見慣れぬ男のことが気になって、興味津々なのは明らかだ。

 また、洋観は洋観で自分の世界にハマっている。

 みんな可愛くてスタイルも良さそうだ。
 洋観の脳内ではエロ思考回路が勝手に発動した。
 彼女らに似合ったミニスカートを履かせ、隠されたお御脚を彩る、靴下やストッキングを纏わせて差し上げるとしようじゃないか。

 まず目についたサラサラロングの黒髪娘には、黒のストキングを履かせてみたい。いやや黒いハイソも捨てがたい。

 ポニテの純情そうな娘には生脚に白のソックスが映えそうだ。