さり気なく自分の存在をアピールしてみた洋観だったが、彼女の関心を引くことはできなかったようで残念。トモカ女史はストキングのズレでも気にしているのか、自分の脚から視線を逸らさない。
「この町の……いやこの世界の男ときたらどいつもこいつも、なっておらんのだ。私のこの脚線美を見ても全く関心を示さぬ。褒めることを恥だとでも思っておるのだろうか?」
「えええ――っ、そんなのあり得ないでしょう!? だって……」
「だって?」
「だ、だって」
ああ――、これ以上いったら、失礼にあたるかなあ? セクハラだと受け止められたら問題だし、彼女にも迷惑をかけてしまいそうだし。ここは慎重に言葉を選ばなければ。
「あ、そうですね。とてもお似合いだと思います。特にスカートのデザインが凝っていて、短めなところがさらに素敵です。とてもいい趣味をしておられると思いますよ、はい」
冷や汗ものだが、なんとか上手く体裁よくまとめられたようでほっとした。
「だろう、そうだろう? この格好で村中を歩いても、男たちは奇妙な生き物でも見るかのように、決まって軽蔑する目つきで睥睨するのだ。私としては甚だ遺憾なんだが、君は気に入ってくれたようで、心から嬉しいぞ」
「はあ……それは良かったです」
トモカ女史はたいそうお喜びのご様子だ。 見知らぬ土地で、理解者をひとりでも多く作るのは今後に必ず役立つに違いない。
「ここで働く娘たちにも不評なんだが、君は見どころがあるなあ。気に入ったぞ、少年」
「あの……、もしかしてその服装って、仕事着じゃなくて、趣味として着てらっしゃるんですか? ミニスカ……短めのスカートとか、網目模様のストキングとかはオミナイ先生のお気に入りのファッションアイテムであるというわけですよね?」
「トモカ先生でいいぞ。まあ、そんなところだ。私が何を着ようが勝手だと思うんだが、あまりに不評なのでこの格好で外に出歩くのはやめにした。不本意ながら診療所の中だけで愉しむだけにしているんだ。それなら誰にも迷惑をかけるわけでもないし、少年もそう思うよな?」
(もちろん、トモカ先生のお言葉には禿しく同意する)
「全くもってそのとおり! 仰られるとおりだとこのヨーカンも思います!」
「この町の……いやこの世界の男ときたらどいつもこいつも、なっておらんのだ。私のこの脚線美を見ても全く関心を示さぬ。褒めることを恥だとでも思っておるのだろうか?」
「えええ――っ、そんなのあり得ないでしょう!? だって……」
「だって?」
「だ、だって」
ああ――、これ以上いったら、失礼にあたるかなあ? セクハラだと受け止められたら問題だし、彼女にも迷惑をかけてしまいそうだし。ここは慎重に言葉を選ばなければ。
「あ、そうですね。とてもお似合いだと思います。特にスカートのデザインが凝っていて、短めなところがさらに素敵です。とてもいい趣味をしておられると思いますよ、はい」
冷や汗ものだが、なんとか上手く体裁よくまとめられたようでほっとした。
「だろう、そうだろう? この格好で村中を歩いても、男たちは奇妙な生き物でも見るかのように、決まって軽蔑する目つきで睥睨するのだ。私としては甚だ遺憾なんだが、君は気に入ってくれたようで、心から嬉しいぞ」
「はあ……それは良かったです」
トモカ女史はたいそうお喜びのご様子だ。 見知らぬ土地で、理解者をひとりでも多く作るのは今後に必ず役立つに違いない。
「ここで働く娘たちにも不評なんだが、君は見どころがあるなあ。気に入ったぞ、少年」
「あの……、もしかしてその服装って、仕事着じゃなくて、趣味として着てらっしゃるんですか? ミニスカ……短めのスカートとか、網目模様のストキングとかはオミナイ先生のお気に入りのファッションアイテムであるというわけですよね?」
「トモカ先生でいいぞ。まあ、そんなところだ。私が何を着ようが勝手だと思うんだが、あまりに不評なのでこの格好で外に出歩くのはやめにした。不本意ながら診療所の中だけで愉しむだけにしているんだ。それなら誰にも迷惑をかけるわけでもないし、少年もそう思うよな?」
(もちろん、トモカ先生のお言葉には禿しく同意する)
「全くもってそのとおり! 仰られるとおりだとこのヨーカンも思います!」