「すると、この医師会事務所兼診療所の看板に、『相談事、諸々承ります』と書かれていたのがたまたま目に留まって、つい飛び込んできた次第でして。できれば、少しでもこの世界の内情とかを掻い摘んで聞かせていただけると助かります……。あ、でもこんな相談でも構わないでしょうか?」

「ふ~む、話を聞けば、なにか複雑な事情を抱えておるようだな。わたし共の知見で解決できるものだと良いのだが……」

 そう言って腕組みをする彼女の腕の上には重たそうで、弾力があって、揉みごたえのありそうな重量級おっぱいが乗っている。

(ああ、こんな光景にお目にかかれただけで、この異世界にやって来た甲斐があったってもんだ。まさしく至福の瞬間だわ~~)

「なんだ、さっきから私の胸ばかり眺めて、そんなに女のおっぱいが珍しいのか? もしかして少年は、おっぱいは大きいほうが好き系?」
「いえいえ、滅相もありません。あ、えっと、まあ好きか嫌いかと問われれば、無論好きなわけで……てか、ぶっちゃけ大好物っす!」

(あっちゃあ、つい本音が出たしまた)

(それと、ストキングを履いた長いお脚の方も、初めから僕の股間を鷲づかみされっぱなしで……)

「まあ、おっぱいが嫌いな男がいるとも思えんが、正直に面と向かっていわれると少し照れるもんだな」

 まるで汚れを知らぬ少女のようにはにかむトモカ女史を前に、思わず生唾をゴクリと飲み込む洋観。

 意外とかわいい部分もある。
 トモカに対する洋観の印象度がグッとアップしたのはいうまでもない。

 これ見よがしに何度も美脚を組み替えて、洋観を挑発してるとしか思えない妖艶なトモカの仕草に洋観の視線は右、左また右へとさまよい続ける。
 意識してなのか、無意識なのかは不明だが、トモカ医師はSっ気があるとお見受けした。

「それに、スラリと長いお御脚はとても美しくて、一瞬で先生の魅力の虜になってしまいました」

「そうかそうか、それは感心。しかし、どうも私の着こなし。スカートの丈やスタイルの良さをアピールするはずのこの服装。どれも周りには評判が良くなくてな。私の趣味を褒めてくれたのは君が初めてだよ、少年!」
「洋観です。ヨーカンと呼んでもらえれば幸いです」