「取り敢えず多少問題はあるが、エロとエロいおねえさん、それに金髪碧眼が加われば、向かうとこ敵なし。鬼に金棒だろうって!」


 場面は、再び村の医師会兼診療所に移る。


 女医さん(?)が窓際の席に脚を組んで洋観が部屋に入って来ると座っていた椅子をくるりと回転させてこっちを振り向いた。

 なんと、エロい。エロすぎる衣装に……もとい白衣にを身にまとた、彼女は年の頃でいうと二十代後半くらいから三十代初めくらいに見える。

 美しく整った顔立ちに、黒くて艷やかな長い黒髪を頭の上の方で無造作に結んでいる。

(残念ながら金髪碧眼ではないが、十分いろっぺーお姉さまじゃないか。全然合格っすよ。いずれ金髪碧眼美少女も現れる設定になってるんだろし、楽しみは後回しってか? 神様も粋な計らいをしてくれたもんだ)

 超~短めのスカートからのぞく美脚は、黒い網目模様のガーターストキングによって、洋観の眼にはエロさ十倍……いやそれ以上にに映っている。

「あら、珍しいわね。この診療所に客さん……いや患者さんが訪れてくるだなんて。虫歯かな? それともお尻にできものでも?」 

(お尻の……って、痔のことだろうか?)

「えっと、なんて言っていいか……。取り敢えず患者ではなさそうです。実は相談がありまして……」

「おや、相談? で、どんな相談かな? 私に答えることができるものなら何でも聞いてくれ。ああ、その前に私は、この村の唯一の医者で医師会の会長も兼ねている、オミナイ・トモカというものだ。村人からはトモちゃん先生と呼ばれている。ところで、おたくは……?」

「実は、のっぴきならない事情でこの村にやって来たばかりでして。あ、名前は小山内洋観と申します。後ろの者はクロエとっ言って、当面は……そうだな、僕の妹……みたいなものでしょうか?」

「ふむふむ」

「実を言うとこの世界のこと、全くわからなくて。さらにいいますとこの村やこの村が属する国……でしょうか? そこいらへんの情報も全然持ってないので困っていたんです。ああ、でも他国のスパイとか、そういった類の怪しいものでは一切無いので」

 トモカ医師は腕組みをして、何度か頷きながら洋観の話を聞いている。